暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
再び出会う雪の少女
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だって休戦体制取ってるんだし、結界についての問題を解決するまでは敵ではないのだ。

 一応の共同戦線ではあるし、情報交換だって必要なんだし。
 ……なんかハブられたことに拗ねてるみたいになってないか?

「俺が呼びに行ったらもう居なかったからさ。仕方ないから、遠坂と二人で作戦会議してたんだ」
「そうですかい。ま、別に俺も聞こえてたからいいけどな」
「ふぅん…………なぁに、黎慈より衛宮くんを選んだからって妬いてるの?」
「お、おい遠坂、そういう言い方は……!」

 何コイツ。ニヤニヤしやがって。

 その程度で俺が焦るとでも?
 フ、馬鹿め。出会ってから10年に及ぶ遠坂凛対策の研究成果を見せてやろう。

「──────そうだよ」
「へ…………?」
「何で士郎なんだ? 俺じゃダメなのかよ、凛?」
「は、う……えぇ!?」

 凛の両肩を掴んで、それこそ息の掛かる距離まで顔を近付ける。

 キョロキョロと忙しなく動く瞳を真っ直ぐに見つめて囁く。

「なぁ、どっちがいいんだよ?」
「や、そんな……どっちがいいとか……そういうことじゃ、なくて…………」
「じゃあ、どっちの方が好きなんだ?」
「あ、うぅ……そ、そんなこといきなり言われても…………!」

 顔が少しずつ赤く染まっていく。

 ふむ、人をからかおうとした悪戯っ娘にはこれくらいでいいか。

「とまあ、凛をからかうならこれくらい必要だぞ、士郎」
「え!?」

 クルリと士郎に振り返る。

「俺の研究によると、凛は優位に立たれることに慣れてない。加えて、恋愛感情に纏わることとかそれ以上に踏み込まれると、案外可愛らしい一面が──────」

 へらへらと語っていた俺は、全てを述べることが出来なかった。
 何故なら不意に横からの衝撃に襲われ、どこかの喜劇のようにフェンスに激突していたからだ。

 これが柵だけの屋上だったなら、間違いなく転落死している。

 賭けてもいい。

 今、ヤツは、完全に、俺を、ヤる気だった。

「だが見ての通り、その後の物理的抵抗に訴えてきた場合に対する研究は進んでいない」
「そ、そうか。もしも研究が完成したら、またそのときに教えてくれ」
「むう。このプロジェクト・りんりんは完成間近なのだが、そこが問題だ。こうなると凛の側に変化を促さないとダメか…………」

 真面目な顔で呟く。
 士郎の表情が引きつっているが気にしない。

 俺の足を踏み絵の如くストンピングしている凛も気にしない……いや、そろそろ気にしないと俺の足が砕けかねない。

「ほんっと、この馬鹿…………! ちょっとでも、1%でも、0.01ミリでも真剣に考えちゃった私の労力を返しなさいよ!」
「0.01ミリくらいならい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ