第五十六話〜すり減らしてゆく力〜
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のライの斬撃を防御したことによって、若干反応が遅れてしまったヴィヴィオは振り返ると同時に目の前に迫る光弾を視界に収めた。
「ああああああああああ!!!」
光弾に向け、両手を突き出すヴィヴィオ。それに合わせるように虹色の魔力が光弾を相殺しようと動き出す。
「アクセルドライブッ!」
ヴィヴィオが光弾の相殺のために動いた瞬間、ライは既に始動キーを口にしていた。
エナジーウイングの基部から、現在装填されているマガジンに残るカートリッジ、4発ずつが弾き出される。空薬莢が排出の勢いで壁に当たり澄んだ音を鳴らす。
その音がライの耳に届く前にライは再び、その場に魔法陣だけ残し掻き消える。
先ほどの速度を上回る速さでライはヴィヴィオを囲むように飛ぶ。その途中、再びカットリッジを2発消費し、それぞれ別の角度から新たに2発の魔力弾をヴィヴィオに叩き込む。
その2発にヴィヴィオは反応できていなかったが、聖王の鎧がオートで発動しその2発を受け止める。
「これで!!」
声が発せられたのはヴィヴィオの直上。
上下が逆転している状態で天井にしゃがみ込むように着地しているライ。
ヴィヴィオがこちらに意識を向ける前に攻撃を続けるべく、ライはすぐさまデバイスに格納していた残りのマガジンを取り出し、ヴィヴィオに向けて投擲する。
聖王の鎧がそのマガジンに反応する前にライはそれを打ち抜いた。
「?!」
打ち抜かれたマガジンに装填されていた、計6発のカートリッジに内包されていた魔力が瞬間的にではあるが、ヴィヴィオの周囲を包む。それにより、敵の魔力にオートで反応した聖王の鎧がヴィヴィオを中心に全方位に展開される。
いきなり自分に向けて全方位から攻撃を受けたと錯覚したヴィヴィオが冷静さを失い、隙を見せた。
その直後、全身のバネとエナジーウイングに残されている全ての推進力を使い、直下にいるヴィヴィオに突撃する。
その度を超えた加速により、とうとう身体の骨が数箇所折れたがライはそれさえも無視。
左腕に持ったヴァリス形態のパラディンをヴィヴィオに向ける。いつの間にか、蒼月を待機状態にしていた為に空いた右手を左腕に添え固定。そしてヴァリスに装填された残りのカートリッジ3発を使い、残りの魔力を吐き出させる。
「モード――」
『コンプレッション』
「スピア!!」
ライの叫びとパラディンの機械音声が重なる。
その叫びと共にパラディンの銃身が縦に割れ、その間から高圧縮された銀色の魔力が伸びる。その形成された魔力は戦端が鋭利なもので、ライが口にした通り一種の槍を連想させた。
それはティアナのクロスミラージュを参考にしてライが考えた攻撃方法。MVSよりも耐久性が高いヴァリスだからこそできる運用で
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