第五章
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「もうセクハラって言葉が甘い位に」
「ああ、そういうことか」
「そういうのもあるんだな」
「中には、ですけれど」
流石に全員がそうではないというのだ、だがだった。
「それでもそうした話もあって」
「表に出ずにか」
「揉み消されてか」
「そうなんです、それで社長も朝お話してましたけれど」
「北朝鮮か」
「その国もか」
「はい、あの国との関係なんて」
それこそだというのだ。
「無茶苦茶酷いんですよ、普通にあの国に行く船とか乗って拉致を知っていて揉み消していた人間が平気で今も大勢いますし」
「普通捕まらねえか?」
「だよな」
周りはその話を聞いて流石に呆れた。
「ヤクザと関係あるよりもな」
「まだやばいよな」
「そうですよね、ですから」
秀翼もその顔を曇らせて言う。
「俺そのことも嫌になりましたし」
「他のこともあってか」
「前に居酒屋で話したことがか」
「そうなんです」
それでだというのだ。
「俺はマスコミを辞めました」
「それでか」
「工事現場で働いてるんだな」
「幾らお金と力があっても腐ってる場所は嫌ですから」
こう言うのだった、そして。
コンビニ弁当の御飯を食べながらだ、こうも言ったのだった。
「幾らご馳走ばかりでも腐っていたら嫌ですからね」
「普通のコンビニ弁当の方が美味いのか?」
「そうだっていうんだな」
「そうです、じゃあ」
それじゃあと言ってだ、そしてだった。
彼は作業中の現場を見てだ、こんなことも言った。
「仕事も順調ですし」
「ああ、午後もやるか」
「頑張るか」
「そうですね、俺テレビ局の頃に言われたんですよ」
ふとだ、こうも言ったのだった。
「俺達の仕事は特別だって」
「テレビ局の仕事はかい」
「マスコミの仕事は」
「そう言われました、いつも」
しかも一度や二度ではなく常に言われていたというのだ。
「だから誇りを持てって、ですが」
「この仕事もか」
「工事現場の仕事もか」
「誇りはあります」
明るい笑顔での言葉だった。
「あの人達から見れば平凡で下らないかも知れないですけれど」
「それでもか」
「誇りはあってか」
「正直ある意味においてテレビの仕事は特別ですよ」
その言葉に皮肉をなものも含めて言った秀翼だった。
「あんな腐った世界はないですから、けれどこの仕事は平凡でも」
「それでもか」
「腐ってなくてか」
「はい、誇りがあって」
それでだというのだ。
「いい仕事ですよ。ですから俺は」
「こうしてか」
「ここでずっと働いていくんだな」
「そのつもりです、じゃあこれからも御願いします」
「こっちこそな」
「宜しくな」
他の面々も笑顔で彼に言う、こうしてだった。
マスコミ
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