第二章
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「そうするから」
「そうなのね、二人で」
「いつもみたいにするのね」
「絶対にね。もう楽しみで」
実際にその楽しみで仕方ないという顔をクラスメイト達に見せている、そのうえでの言葉だった。
「仕方ない感じよ」
「やれやれね、まああんたがいいっていうのならね」
「私達もそれでいいけれどね」
クラスメイト達は少し呆れながらも温かさのある笑顔で応えた、そうして有紗のその明るい笑顔を囲んでいた。
有紗はその日実際に彼と下校した。その彼はというと。
見事な蜂蜜色に近いブロンドにやや薄いブルーの目、白い彫のある顔で鼻が高い、ノーブルな感じの顔立ちである。髪の毛はセンターで分けている。
長身ですらりとした身体だ、有紗より二十センチ以上高く彼女の制服と同じカラーリングのブレザーを着ている。
その彼がだ、流暢な日本語で校門で彼女に言ってきたのだ。
「有紗、待った?」
「待ったって今ここに来たばかりじゃない」
校門に来たばかりの有紗は笑ってこう返した。
「それはウィリアムも見てるじゃない」
「あはは、そうだね」
「むしろ待ったのはウィリアムの方じゃない」
「そうなるかな」
「それで何でそう言うのよ」
「いや、いつもお父さんとお母さんに言われてるからさ」
それでだというのだ。
「女の子を待たせるなって」
「絶対によね」
「うん、絶対にね」
それこそ何があってもだというのだ。
「そう言われてるからね」
「私にいつも聞くのね」
「いや、部活が終わったらさ」
そうすればというのだ。
「いつもここに飛んで来ているんだよ」
「本当にいつもよね」
「そうだよ、必死なんだよ」
「別に必死にならなくていいわよ」
そうしたことでだとだ、有紗は少し苦笑いになってウィリアムに言った。
「あんたの部活だって大変でしょ」
「ラグビー部が?」
「そうよ、ラグビーっていつも走って身体ぶつけ合ってよね」
かなりラフなスポーツである、とはいってもラグビー発祥の地イギリスではむしろこちらが上流階級のスポーツとされている。
「無茶苦茶大変じゃない」
「大丈夫だよ、怪我には気をつけてるし」
「アフターケアも?」
「そうだよ、臭くならない様にシャワーも浴びてね」
清潔にして、というのだ。
「それからいつもここに来てるから」
「だからそこまでしなくてもいいのに」
有紗は苦笑いでウィリアムに言う。話をしながら二人並んで帰路につく。その中で話をしているのである。
「本当に」
「そいうものかな」
「そうよ。というかウィリアムっていつも必死よね」
「何でも真剣にしないと」
駄目だというのだ。
「それがバトラー家の家訓だからね」
「家訓ねえ」
「それは日本に来ても変わらないよ」
実は彼の家はイ
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