第二章
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「じゃあね」
「ええ、今からダイエットよ」
「そうしなさい」
「水泳もしてね」
こうしてだった、早速。
亜里沙はダイエットをはじめた、そしてそれと同時に。
このクラスにはもう一人いた、今度は男子だ。
名前は岡崎秀翼という、ぼさぼさの長い髪の毛に制服をいつもだらしなく着ている、詰襟の制服の下から見えるシャツも随分とくたびれている。
ぼうっとした顔立ちでやたら大きな眼鏡をかけいつも何についても無頓着な感じだ、その彼についてもだった。
「頭いいんだけれどね」
「いつもさりげなくフォローしてくれるし」
「結構いい奴なのに」
「それでもね」
その冴えないというかださいにも程がある外見を見て話す女の子達だった。
「そこがどうにかなれば」
「また違うのに」
「今のままじゃとても」
「友達ならいいけれど」
亜里沙と同じ様なことを言われていた、その彼がだ。
クラスの仕事をしている時にだ、男のクラスメイト達にこう言われたのである。
「御前もうちょっと身なり何とかしろよ」
「幾ら何でも酷いぞ」
「髪の毛も切って服もちゃんとしてな」
「顔も整えてな」
もみあげも剃らず本当に無造作だ、何処かの仙人にさえ見える。
その彼にだ、彼等は見かねた顔で言うのだ。
「ちょっとファッション雑誌持って来るからな」
「それ読んで勉強しろ」
「それで外見も整えろ」
「いいな、そうしてくれよ」
「そうした方がいいのかな」
そのやたら度の強い大きな眼鏡をかけたまま応える彼だった、こうして。
彼についても進められるのだった、そして亜里沙もだった。
ダイエットを続けていた、彼女については女の子達が話す。
「とにかくあのままだと本当に死ぬから」
「痩せてもらわないと」
「太り過ぎは身体によくないからね」
「だから」
だから彼女も話したのだ、そして秀翼については男連中が話す。
「ださ過ぎるっての」
「本当にあれじゃあ仙人だろ」
「もっと外見もちゃんとしないとな」
「見られたものずじゃないからな」
それでだ、彼にファッション雑誌等を貸して勉強してもらったのだ。
それが夏休みの七月の初日だ。
後はどうなるかは夏休みが終わってからだった。つまり九月一日にわかることだった。
皆二人がどうなるかだ、不安に満ちた顔で話すのだった。
「亜里沙、泳いでるわよね」
「秀翼ちゃんと勉強してるよな」
「お菓子食べてないといいけれど」
「ヘアーサロン言ってるよな」
二人がちゃんとしているのかが問題だった。
「とにかくどうなるか」
「九月一日に」
「それが楽しみよね」
「そうだよな」
こう話す彼等だった、そして亜里沙も秀翼もだった。
二人共努力を続けた。二人も妙に意地になったのか夏休みの
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