第一章
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大変身美男美女
岩本亜里沙は誰もが見てもだ、これがだった。
太っている、それもかなりだ。
「あいつ絶対に百キロあるよな」
「ああ、相当だよ」
「というか太り過ぎだろ」
「しょっちゅう甘いもの食ってるからな」
男子生徒達はその彼女を見て言うのだった、しかも常に。
それでだ、こうも話す彼等だった。
「性格はいいのにな」
「おおらかで気がよくついてな」
「全くなあ、いい奴なのにな」
「太っているのがなあ」
そのせいで友人にはなれても交際相手にはというのだ、これが彼等の意見だ。
そしてその今もだ、自分の席でカントリーマァムをむしゃむしゃと食べていた。黒髪を後ろで団子にしている、足は丸太の様であり制服の下に丸々とした身体がある、背は一六〇程だがその体重は確かに三桁ありそうだ。顔も丸くボールの様だ、目はその顔の中に隠れそうであり頬もぱんぱんだ、本当に何もかもが丸い。
その彼女を見てだ、女友達の彼女達も言うのだった。
「あんたまたお菓子食べてるけれど」
「本当にいつも食べてるわよね」
「お弁当も二食持ってきてるし」
「朝もしっかり食べてるわよね」
「ええ、そうよ」
その通りだとだ、食べながらあっさりと答える亜里沙だった。
「だって食べるの好きだから」
「食べるのはいいけれど」
「それでもよ。あえて言うけれど」
「ちょっといい?」
「うん、何?」
やはり食べながら応える亜里沙だった、それは全く変わらない。
「何かあるの?」
「あんた今体重どれ位?」
「それで脂肪率は」
「その辺りどうなの?」
「どうなってるのよ」
「今身長で体重は一一〇キロよ、脂肪率は四十超えてたわ」
「はい、アウト」
クラスメイトの一人が亜里沙の自己申告を聞いてすぐに言ってきた。
「あんた危ないわよ」
「健康に?」
「あのね、その体重と脂肪率は本当に危ないから」
「命になのね」
「すぐに痩せなさい、いいわね」
「じゃあお菓子食べるなっていうの?御飯も」
「食べるものを考えろってことよ」
これがこのクラスメイトの言うことだった、他の面々も彼女の言葉に真剣に頷いて亜里沙に言うのだった。
「そうよ、カントリーマァムとかたけのこの里とかアイスクリームじゃなくてね」
「するめとかね」
「とにかくカロリーのないものに切り替えて」
「甘いものでもいいから」
「あと泳ぎなさい」
運動でカロリーも消費しろというのだ。
「わかったわね」
「じゃあコーラとかも」
「お茶にしなさい、お茶に」
「甘い炭酸飲料は絶対に駄目よ」
殆ど西武ライオンズの監督だった広岡達朗だった、今の彼女達は。
「脂肪たっぷりのお肉よりササミかお魚」
「それも小魚がいいから」
「と
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