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床で
第六章
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「今まで大変だってね」
「ううん、確かに最初は辛かったですけれど」
 退屈でだというのだ、このことは真希も否定しなかった。
「けれど」
「そうじゃなかったんだね」
「一緒でしたから」
 真希も笑顔だった、その笑顔で医者とサボテンを見て言うのだった。
「サボテンと」
「成程、植物でのヒーリングだね」
「それになるんですね」
「そうだよ、人間は一人でいるよりもね」
「植物と一緒にいるとですか」
「いいんだよ、動物でもいいんだよ」
 この場合はアニマルヒーリングになる、所謂犬や猫等ペットと共にいるとそれもまた癒しになるというのである。
「けれど病院には動物は持ち込めないからね」
「植物でよかったんですね」
「うん、そうだよ」
 こう真希に話すのだった。
「一緒だよ」
「そうですか」
「うん、それでね」
「それで?」
「一緒にいるとね」 
 植物、真希の場合はサボテンとだというのだ。
「違うんだよ、だから君もね」
「笑顔でいられるんですね」
「そうだよ、それじゃあね」
「はい、退院ですね」
「後遺症の心配はないから安心してね」
「わかりました」
 真希は笑顔で医者に応えた、そして医者と一緒にいるお姉さんとも笑顔を交わした。そうして隊員の日を迎えてだ。
 母と一緒に退院の用意をした、三ヶ月もいると流石に色々と病室の中にあるものも多い、ゲームソフトだのその本体だの漫画だのだ。 
 ライトノベルもダンボールの中に収める、真希はラフな私服姿になってそのうえでものを色々と収めている、そしてだった。
 その中でだ、真希はサボテンに気付いて言った。
「あっ、サボテンもね」
「持って行くのね」
「だってね」
 それでだと言うのだった。
「友達だから」
「だからなのね」
「うん、お家でもね」
 帰るその場所でもだというのだ。
「一緒にいたいから」
「そうよね、それじゃあね」
「うん、それじゃあ」
 真希は笑顔でだった、そのサボテンを手に取ってだ。
 そしてだ、自分の手を持って言うのだった。
「帰ろう」
「それ誰に言った言葉なの?」
「お母さんと。それに」
「サボテンに言った言葉ね」
「ええ、そうよ」
 明るい顔でだ、真希は母に答えた。
「両方に言ったの」
「そうね、あんたがいてお母さんがいてね」
「サボテンもいるから」
「そのサボテンが来てくれてよかったわね」
「ええ、とてもね」
 母が買ってくれたそのサボテンを見ての言葉だ。
「よかったわ」
「そうよね、それじゃあ」
「今から帰ってね」
「そのサボテンは何処に置くの?」
「私のお部屋のね」
 真希の部屋のだ、何処かというと。
「窓辺にね」
「ここと同じなのね」
「そこに置いてね」
 そしてだというの
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