第二章
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「どんな病気もね」
「そうなのね」
「何度も言うけれど命の危険とかはないから」
このことは暗視していいというのだ、ただ治療に時間がかかり入院の期間が長いだけだというのである。
「安心しなさいね」
「ええ、それじゃあね」
真希は母のその言葉に頷いて返した、そしてだった。
これからの三ヶ月のことを覚悟した、入院生活を耐えることにしたのだ。
入院生活は予想していた通り退屈だった、ゲームをして漫画やライトノベルを読んでもそれでも時間が余る。というか毎日ベッドの上でそうしたことばかりでも飽きる。
それにだ、入院生活なので。
「食べたいものは食べられないし」
「飲みたいものもよね」
「ええ、そのこともね」
困るとだ、今日も見舞いに来てくれた母に言うのだ。
「どうもね」
「辛いのね」
「焼き鳥とかね、プリンとかね」
真紀の好物だ、どちらも。
「それとかオムライスとか」
「そういうのはないわよ」
病院の御飯には、というのだ。
「残念だけれどね」
「そうよね、ここの病院そんなに味は悪くないけれど」
「それでもね、好きな食べ物もね」
「我慢するしかないのね」
「そうよ」
まさにだ、その通りだと返す母だった。
「我慢してね」
「そうするしかないからね」
「ええ、暫くはね」
「わかったわ、お菓子もないし」
「あっ、差し入れは止められてるの」
差し入れでそのお菓子や果物を持って来ることもだというのだ。
「お医者さんにね」
「そうした病気なのね、私の病気って」
「ええ、そうみたいよ」
だからだというのだ。
「このことも我慢してね」
「わかったわ」
頷くしかなかった、状況が状況だ。
「それじゃあね」
「ええ、それでね」
「ゲーム、クリアしたから」
「明日また新しいゲーム持って来るわね」
「それとライトノベルもね」
こちらは読破したというのだ。
「持って来てね」
「真紀ちゃんが言ってるのよね」
「ええ、友達が少ないとか」
他にはだった。
「ラブコメは間違ってるもね」
「わかったわ、明日持って来るわ」
「お願い、とにかくそういうことしか出来ないから」
そうしたことで時間を潰すしか、というのだ。
「絶対にね」
「わかってるわよ」
母も微笑んで返す、そして娘にこのことを尋ねたのだった。
「お父さんやあの娘達も来てるわよね」
「お姉ちゃんと郁美ちゃんね」
姉と妹だ、真希は三人姉妹の次女なのだ。
「殆ど毎日来てくれてるわ」
「お友達もよね」
「ええ、皆よくね」
来てくれるというのだ。
「有り難いわ」
「じゃあ結構ましよね」
「ええ、楽しみにしてるし」
見舞いもだというのだ。
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