第二話「交渉、そして模擬戦」
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『悪趣味』
リオンが自分を助けたであろう女の様子を見て思った感想を一言でまとめた言葉がこれだ。それに対して相方もそうだねと同意する。
カツカツと靴音をたてて女に近づく。
「貴様は何者だ。何故僕を助けた。」
およそ自分の命を救った恩人に対する態度と言葉とは言えなかった。ただ、助けてもらったからと言って先の女の行動...娘への虐待の様子を省みれば致し方ないとも言えた。
・・・もっともリオンの性格、と言うよりも口の悪さを考えるとその行動を見なくても同じ様に言った可能性が高いが。
「貴方こそ何者かしら?病人や怪我人はそれらしく暖かいベッドで黙ってぬくぬく過ごしているのが筋では無いかしらねぇ?」
そう言って先程フェイトに振るっていた鞭をリオンに振るう。
その判断はイレギュラーである少年に対する対応としては間違ってはいない。戦いになってもこの女...プレシア・テスタロッサは大魔道士と呼ばれるに足りる実力の持主である。そうそうそんじょそこいらの相手に遅れをとることは無いだろう。
ただプレシアにとって不幸だったのは、
相手が「そんじょそこいらにいるような少年」ではなく
「遅い...虎牙破斬!」
「天才剣士」「ソーディアンシャルティエのマスター」
リオン・マグナスであったことだ。
「な!?」
たったその剣技のみで鞭は真っ二つに斬り裂かれる。
否、正確に言うならばその剣技は斬り上げ斬り下げの二段の斬撃からなる技で、
鞭を両断したその後の一撃を当たる寸前で止め、
「もう一度聞く。何故僕を助けた。」
「答えた方が、貴方の身のためですよ。」
リオンはプレシアの喉元にシャルティエをつきつけながら問う。
シャルティエもどうせ聞こえないだろうと思いつつも自分のマスターに合わせて軽口でもたたくような口調で女に話す様言った。
一つ彼等にとって予想外だったのは
「話す剣...インテリジェントデバイス...!」
と苦々しい顔で女が言ったことだった。どうやらこの女にもソーディアンマスターの資質があるらしい。
(随分ソーディアンマスターの資質を持ってる人が多いですね・・・)
シャルティエがこの時自分が何も失言をしていないことにホッとしたのはまた別の話である。
(またそのインテリジェントデバイスか...この辺りでのソーディアンの呼び方かなんかか?)
リオンはリオンで少し考えていた、がそれでいて目の前の女から注意を逸らす様な愚かなことはしない、いずれにせよ聞くことができるだろうと予想できるのでこの上ない判断といえる。
「答えろ。」
「・・・聞かれて答える義理が私にあるとでも?」
その言葉の後、シャルテ
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