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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第二十三話 気付いたら一周年
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▽
北側・52525外門、キリアテ・ヤリム。
「ふんふん、同じ北側でも全然様式が違うんだな。」
「………うん。サラマンドラの所が赤レンガで、ここは自然から切り出した石を加工して造ってるね」
外門から出た二人はそこから見える風景に目を輝かせる。肌を撫でるような熱風は似ているが、景色は全く異なる。まず、地面が砂である。
砂漠のオアシスに似せて造られている街並みである。
二人は興味深そうにその場で見回していたが、唐突にそのうちの一人、____春日部耀は首を傾げてもう一人に尋ねた。
「証、本当に良かったの?」
「ん? あー、別に気にする事でもないと思うよ? てか久遠さんがいいって言ったんだし」
「………そうだね。ありがとう」
くすりと小さく笑う耀から目を逸らし、『砂漠の町』風の町並みを見つめながら風舞証はここまでの経緯を思い返していた。
〜〜〜"ノーネーム"1階大広間。〜〜〜
『ごめんなさい証君。ちょっと急用ができてしまったの。また今度埋め合わせするから。………あ! そ、そうね、春日部さんもいいギフトゲームを探していたから彼女を誘ってみてはどうかしら?』
『お、おう………』
何かすごい作為的なものを感じたのだが、指摘するのも悪いかと思い、何も言わないまま証は耀を誘った。
_____現在に至る。
(まあ、春日部さんが楽しそうで何より、ではあるな)
興味深そうに辺りを見回しながら、鯛焼きを食べている。
―――――鯛焼き?
ふと気になって石造りの街の目抜き通りを注視する。案の定というか………いた。
「なんでオッサンがここにいるんだ?」
「オッサン言うなおにいさんだ」
そう訂正するのは火竜誕生祭にもたい焼き屋を開いていたオッサンだった。
砂漠の街を模した此処にたい焼き屋はとても違和感を感じる。
その疑問に気付いたのか男は豪快に笑う。
「ハッハッハ。いやなに、今がこの街が一番賑わう時期だからな。かきいれ時ってやつだ」
「一番賑わう? 何かあるのか?」
ん? と男は首を傾げる。
「何って、お前さんもギフトゲームに参加しに来たんじゃないのか?」
「いや、招待状を貰っただけで何も説明を受けてない」
はぁ? とまた首を傾げるが、その時証の後ろから声がかけられる。
「お待ちしておりました。風舞証さん。春日部耀さん」
「あ、エミちゃん」
金髪、血のように紅い眼、そしてチビっ子。
「今何か失礼なことを考えませんでしたか?」
「いいえ別に何も」
首を振る証にジト目を送りながら溜息を吐いて説明する。
「そこのオジサンが話していたギフトゲー
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