酒宴にて、彼と彼女は
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長くなるが――――」
私達三人は静かに秋斗の話に聞き入った。そして驚愕する事になった。
覚悟はしていた。参加の時点でどちらの可能性も牡丹と星から示唆されていたから。
董卓には同情はする。罪悪感も確かにある。だが自国の未来を守るためなのだからと割り切っている。私の一番大事なモノは家たる幽州の平穏なのだから。
しかしあの洛陽大火まで連合の策だとは思いもしなかった。星は話を聞いた途端にギリと心底不快そうに歯を噛みしめ、牡丹は凍りつくようなまなざしになった。私もこみ上げる怒りに叫びそうになった。
秋斗は戦の最中に気付き、だからこそ無茶を押し通したと言う。
民に被害を与える非情な策。そんなモノは許せるはずがない。だが……
「バカ。お前はそれでも行っちゃいけない。その時はお前の予想だけで正確な情報が無かったんだろう? 確かに民を救うのはしなくちゃいけない事だけど自分を捨てるのは違う。私達だって頼ってよかったんだぞ?」
きっと星にも、牡丹にも、鳳統にも言われただろうけど私も言っておきたい。それにあの時目の前を通ったんだから助けてくれと言って欲しかった。
「ありがとう。誰かさんに見抜かれたが俺は自分で抑えが効かなかったのもあった。心配かけてすまない」
「ふん、やっぱりバカはバカですね」
牡丹は一つ毒づいてグイと果実酒を煽る。すでに中々の量を飲んでいるが大丈夫か?
自分も同じように煽った酒は少し不味く感じた。私はこいつにとってそんなに頼りないのかな。
ふと考えると秋斗の異常さに目が行った。そういえば秋斗はいつも一人で行動しようとしていたじゃないか。私達と劉備義勇軍の交渉、繋ぎ役をしている時も一人だけ寝る間も惜しんで懸念事項の解決に取り組んでくれていた。桃香にも、諸葛亮にも、鳳統にも相談せずに。
今は大丈夫なのか? ちゃんと周りに頼っているのか?
そう聞きたいが何故か聞くことが出来なかった。
「それとな……この先の乱世について話そうか。次の戦について」
唐突に切り出された言葉に唖然とする。こいつはやっと戦が終わったのにもう次の事を考えているのか。
「……秋斗殿、さすがに今くらい戦乱の事は忘れませんか?」
「いや、今じゃなきゃダメなんだ。他の、袁家の目が薄いだろう今日じゃないと」
戦後間もなくの今日なら気の緩みなども相まって、確かに各諸侯の目は薄いだろう。しかしこいつがわざわざ私達にするということは――――
「……次の戦の地が幽州である可能性が高いんだな?」
「さすがだな白蓮。軍師の見立てではほぼ確実だろうとのことだ」
ほう、と感心してからこちらに言う。あの二人の見立てならば確定だろう。
「……悔しいですがお前の所の軍師達の予想なら聞いておくべきですね」
「確かに。最初からキナ臭かったこの
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