暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アイングラッド編
SAO編
答えと決意
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違っている。アスナに限った話ではない。お前に何かを……失いたくないものを守る力はあるか?」
「……っ!!」

「傍に居ないから守れない。彼女が決めたことだから関係ない。それは自分に力がないということを認めない言い訳だ。お前はギルドマスターとして、メンバーを守れるか!?」

そう言ってレイは刀を納めた。もうお前の事など見限った、というように……。

「自分の真の気持ちに嘘をついてまで、自分の弱さを否定する者に何かを守るための戦いをする権利は無い」



「……悪かった。降参」



―You lose―



「世話の焼けるギルドリーダーだな」



「「そうね」」「うん」



「ってお前らいつからそこにいたんだ?」
「あんたが馬鹿みたいに突っ込んで行ったところから」
「つまり、最初からだね」
「……今起きた」
「……買い物は?」
「「………」」

「おい!?」



「さて、ほっといて何か旨いものでも食いに行くか。行くぞアード」
「……肉がいい」


「「「待ってくれぇぇぇっ!!」」」



薄暗くなった街で賑やかな集団が転移門に向かって行った。

















現実世界 日本海 海上




海上自衛隊が所有する護衛艦の甲板。その上に明らかに自衛官に見えない少女が立っていた。



その瞳は緋色。容姿はどこか血の繋がらない彼女の兄に似ていた。

「水城二佐」
「……何故貴方が居るのですか?菊岡二佐」
「細かいことは気にしない気にしない」
「……そろそろ目的地ですね。真面目に答えないのなら船の錨代わりに沈めましょうか?全身縛って」
「……勘弁して下さい」

「ご用件は?」
「兄上様はまだあの世界で生き残っているそうだよ」
「……そんなことを言いに来たのですか?」
「興味あるでしょう?」

「無いですね。速く居なくなって欲しくはありますが」
「盗聴機のチェックはしてあるから気にしなくていいよ」
「……何を言っているのか解りませんね」

「まぁいいけど」



そう言って菊岡は甲板のへりに歩を進めた。

「残念ながら螢君は帰ってくるよ。茅場先生が何をしようと、ね」
「それはそれで構いません。私達の対応はこれからも変わりませんから」
「全く、ツンデレなんだから……」



「総員に通達。甲板に痴漢が現れた。鹵獲し、海に沈めろ」



「ちょっと待って!?」



ぎゃあぎゃあ騒ぐ菊岡……もとい痴漢を完全に無視し、電源を入れた通信機に向かって指令を出す。



「目的地に到達し次第、即刻任務を開始する。総員、準備にかかれ」
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