混沌のプライド
第10話
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事言うんだよ」
「僕は部長を王と見てないですからね。リアス部長の兄君で魔王の一人であられるサーゼクス・ルシファー様との契約によって僕はリアス部長に仕えているだけですから。契約が果たされているうちは従いますよ」
「知らなかったぜ、お前がそんなに薄情な奴だったなんて」
「薄情?それはお互い様なんですよ」
そう、お互い様なんですよ。グレモリーは情に厚い?何処がだ。三年だ、三年もの間、僕は燻り続けた。リアス・グレモリーは僕の価値を見ようともしてくれなかった。見せる機会をくれなかった。普通の主従関係のデメリットは存在しなかったがメリットも存在しなかった。無知は罪であり、知ろうとしないのもまた罪である。彼女は僕の隣人足りえない。
「兵藤君も王を目指すのなら覚えておくと良いよ。眷属を引き連れる為に必要なのは眷属の欲を満たすことだ。それは人によって全く異なる。それを見抜いて適度に与えるのが重要なんだよ。その点で言えばリアス部長は最低だ。何も分かっていないんだから。僕も白音さんもギャスパーも本当に必要な物を与えられたことが無い」
「それは、それは……」
「僕達から言う物ではないのは分かるよね。部長がそれを知ろうとすれば僕達も少し足を残して、それで知って貰うのが一番なんだけど。部長はそういった仕草を見せたことが一度も無い」
「……」
とうとう反論する言葉が無くなり兵藤君は黙り込んでしまう。存分に悩むと良い、それも主の思し召しでしょうから。
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