混沌のプライド
第10話
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て集合よ」
そして始まった合宿なのだが、所詮は現場を知らないお嬢様という意見しか出なかった。この程度ではライザー様に勝てない。基礎固めはもう遅い。10日で劇的な変化が生まれる訳が無い。基礎固めは常日頃からやっておく物ですから。兵藤君の場合は赤龍帝の篭手があるので本番までに出来る限り力を付けると言うのは間違いではありませんけどね。
今の状況で行わなければならないのは僕達の連携の確認、ライザー様の眷属の能力の把握、そして戦闘方針の設定だろう。夕食を終え、兵藤君と露天風呂に向かう。ギャスパーは疲れたので明日の朝に入ると言って自室の戻った。
「うおっ、木場って結構鍛えてるんだな。服の上からじゃ全く分からなかった。というか十字架なんて付けてて大丈夫なのか?」
「鍛えているのは当たり前です。健全なる魂は健全なる肉体に宿る。健全なる魂は上質の魔力を産み出しますから。十字架に関しては触ってみると面白いですよ」
「どれどれって、痛ったああああああああああああああああ!!!!」
「聖剣を芯にした特別製の十字架です。聖なる力を封じ込めることは不可能でしたが触れない限りは無害なようになる術式を織り込んであります。悪魔が聖なる物に弱いのがよく分かるでしょう」
「ああああああ、爛れてる爛れてる。やばい、痛い痛い痛い」
「はいはい、治療しますよ」
治療の魔剣で十字架に触れた右手を斬って治療する。
「ちなみに今は夜ですから聖剣の力が弱まっています。太陽が昇っている時間帯では今の数倍の威力になります」
「なんで木場は無事なんだよ!!」
「無事じゃないですよ。全身に激痛は走っていますし、身体が破壊されるのと同時に高速で治癒しているので表面上は普通に見えるだけです。悪魔になろうとも僕は聖職者ですから」
「何でそこまでするんだよ」
「僕は捨て子でしてね。拾われたのが教会で、教会が無ければ死んでいたからでしょうね。だから教会の教えを捨てることが出来ないんです。それを捨てると言うことは僕の人生の否定ですから」
十字架を触りながら兵藤君の問いに答える。
「兵藤君にはありませんか?自分の全てを賭けてでも成し遂げたい何かは?」
「……急に言われてもな」
「ええ、そうでしょうね。それが普通です。部長もそうでしょう。だから、今回のレーティングゲームに勝つことは出来ない」
「なっ!?じゃあ、この合宿は無駄だって言うのかよ!!」
「合宿自体が無駄だとは言いませんよ。だけど、この程度じゃあ無理ですね。ライザー様はそれだけの強さがある。フェニックスの不死性は強力です。どんなダメージからでも復活出来る。再生の度に精神が摩耗しますが、それも訓練次第では強くすることが出来る。このレー
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