混沌のプライド
第10話
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グレモリー家が所有する別荘はとある山の山頂にあるらしく、体力を鍛える為にも麓から昇っていくことが決まった。荷物は僕と白音さんと兵藤君の三人で分担して運ぶことになった。内訳は5:3:2と言った所だ。今回の合宿は眷属全員とルゥとヴァレリーの8人で行うことになっている。とは言ってもルゥとヴァレリーはレーティングゲームに参加することは無いので主に家事などを手伝うだけだ。ヴァレリーは神滅具を使ってもいいと言っているが命の危険が有る訳でもないので丁寧に断っておいた。
「兵藤君、無理しないで。荷物持とうか?」
登山を開始して半分程登った所で兵藤君の体力が限界に来ていた。
「はぁ、はぁ、い、いや、大丈夫だ。これ位、部長の処女を守る為なら」
「それで倒れたら意味が無いでしょう。ほら、この後も特訓が待っているんですから」
そう言って強引に背中に背負っているリュックを奪い、僕の身体より大きなリュックの上に座っているルゥに投げ渡します。
「なんで、そんなに持っているのに平気そうなんだ?」
「魔力による肉体強化を施していますから。エクソシストの基本中の基本の術です」
「そう言えば、木場は元エクソシストだったんだよな。なんで今は悪魔になったんだ?」
「僕は周りの評価を気にしない性格だったのが原因の一つですね。周囲の評価を意図的に操作されて、逃げ出すしか生き残る道が無かったんですよ。直属の上司には理解してもらえていたのだけが救いです」
「教会の人もあまり普通の人と変わらないんだな」
「ですね。アーシアさんも話を聞く限り、僕と似た様な境遇ですよ。聖女と呼ばれていたアーシアさんの元に悪魔が近づける訳が無い。誰かが手引きしたのは間違いないですね」
「あんなに良い子なのにな。なんでそんなことをするんだろうな」
「それが人間らしさとしか言えませんね」
そこで会話が途切れ、しばらく無言で山を登り続けているとルゥが飽きたのか足をばたつかせている。
「ますたー、おかし食べてもいい?」
「いいですよ。ゴミはちゃんと持っているんですよ。そこらに捨ててはいけませんよ」
「は〜い」
自分の鞄からお菓子を取り出して食べ始めるルゥを兵藤君が羨ましそうに眺めている。
「兵藤君も要りますか?」
ポケットから同じ物を取り出して差し出す。
「サンキュー。見たこと無い包装だけど、何処の奴だ?」
「僕の手作りですよ。大量に作って収納の魔法陣で保存している物です」
「へっ?手作り?この如何にも高級品っぽい物が?」
「手作りですよ。今回の合宿でも洗濯以外の家事は僕が担当することになってますから」
「……やっぱり家事が出来るのがモテる秘訣なのか?」
「兵藤君の場合、その性欲を
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