第四話
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戦している輝夜をチラッと見た瞬間、永琳は体中から冷や汗が吹き出る感覚を覚えた。
まだ弾幕を出し始めてから五分も経っていない。にもかかわらず、輝夜は顔色を悪くしていた。医者の永琳ならわかる。疲労による疲れで表れる症状だった。
輝夜の力は人間やそこら中の妖怪よりは、力も魔力も高い。こんな短時間の弾幕で疲れるような人間ではなかった。それは輝夜の従者である彼女なら、わかり切っていたことだ。ならなぜ、彼女はあんなにも体力を消費している?
わかるわけがなかった。
「姫様!」
「大丈夫よ永琳! このくらい……」
だが、一番驚いていたのはとうの本人のようだった。
昨日は早めに眠って体調を整えていたはずだった。今日の朝だって、別に疲れているとかだるいとか、変わったところなんてなかった。
しかし、弾幕を出し始めてから急に体が悲鳴をあげていた。まるでいつもの自分じゃない。そういわんばかりに。
(なんで……昨日はこんなことなかったのに!)
「輝夜下がって! 私達が援護するわ!!」
紫はスキマのかわりに手を使って弾幕を作り出すと、革命軍に向けて飛ばし始める。
だが、その数秒後今まで感じたことのない異変が、彼女をおそっていた。
(なっ……!?)
弾幕を出しながら、微かに自分の力が多めに伝わっていくのを感じた。それも微々たるものじゃない。盛大にだ。
ふだんならこんな弾幕を使うのに、自分の力を多く伝えるなんてことは、決してあり得ない。ならなぜ、無意識に力を伝えてしまっているのか……
(力の入れ具合が違う……まるで自分の本来の力を抑えられたかのような……!?)
抑えられた。その言葉が浮かんだ瞬間、彼女は手首に付けられた二つの手錠を見ていた。
永琳は、自分たちの能力を抑えるために付けたんだろうと推測していた。ならなぜ二つ必要だったのだろうか。それが今になって疑問として浮かび上がっていた。
もし二つの手錠が別々の効果を持っていたとすれば、もう片方は何のために付けたのか。考えれば……簡単なことだった。
もう一つの手錠は、彼女達が弾幕や能力へ費やすための力を拘束するものだったのだ。
もしそうなら、今自身が経験したことも、輝夜の体がすぐに悲鳴を上げたのも説明がつく。というか、むしろそうとしか考えられなかった。
「みんな……!」
三人に伝えようとした紫だったが、どうやら彼女達もすでに気づいていたみたいだった。輝夜の異常と紫の異常。すべてが物語っている。
「……どうする?」
「弾幕の攻撃はやめましょう……ここは近距離戦で」
「わかったわ」
普段は近距離戦などあまりしない彼女体だが、こうなっているいじ
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