Introduction
第十一話 紫苑と紫音
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かもしれない、相手がどれほど僕の事情を知っているかによるけど。
「そっか、また詳しい話は後日ということで、よろしく言っておいてね。それで電話した用件なんだけど……」
『ん、西園寺の件かな。えっと、なんだっけ。君のお姉さん? ドイツの病院にいたみたいだけど、二三日前に急に消息が掴めなくなったと思ったら今朝にいきなりしーちゃんが死んだって情報にすり替わってたよ?』
どうやらこっちの用件もわかっていたらしい。でも妙だな、これだけすぐに束さんが情報を掴んでるということはそれなりに監視していたということだし。というかドイツにいたというのも初耳だけど……それはさておき、その監視を掻い潜ってそんなにすぐに情報操作なんてできるものだろうか。あらかじめ準備されていた? それに消息が掴めなくなったのが二三日前というのも気になる。
「そう……か」
いろいろな考えが頭を駆け巡り、僕はそう呟くしかできなかった。
『う〜ん。でもちょっとおかしいよね。しーちゃんのところには今日死んだって連絡がいったんだよね。ドイツで入院してたのは確かなんだけど……あは、まぁ別にどうでもいいか、しーちゃんが生きてるなら問題ないし』
束さんも同じような考察していたようだけどどうやら途中で興味を失くしたようだ。
「ん、考えすぎても仕方ない、かな? それでまぁ、結局学園生活を続けることになっちゃったんで一応報告のために連絡したの」
『そっか、ありがとね! ところで西園寺はなんか言ってなかった? もししーちゃんの害になるなら言ってくれれば潰すよ? 物理的にでも社会的にでもお好きな方で!」
「いや、一応僕の生家なんで……とりあえず穏便に。でも、何かあった時は……また甘えさせて」
気持ちは嬉しいけど物騒なのは勘弁で……。
『し、しーちゃんが甘えさせてなんて……!? 束さんはいつでもオッケーだよ! だからドンといらっしゃい!』
なんか言外にいろいろ含みがありそうな気がするけどこの際気にしないことにしよう、そうしよう。
「あ、ありがとう」
『あ、今度くーちゃん連れて遊びに行くからよろしくね、それじゃ!』
そういうと束さんは一方的に通信を切ってしまった。
……え?
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