Introduction
第十話 地獄の番犬
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せる……。
そう決意した僕だけど、この時僕にとって学園に通う意義がまた一つ増えたんだということに気付いたのはそれからずっと先のことだった。
「ダリル先輩、カッコよかったッス……!」
結果的にダリルさんの生徒会入りが決まったことで、放課後に簡単ながら歓迎会を行うことになった。急なことだったが準備などは虚さんがしてくれてた。
今はさっきの模擬戦の話題が出ている。ちなみにあの模擬戦は映像が残されていて、他のクラスの実習のときも教材として使いまわしするらしい……はぁ。
「あぁ、そういやお前も遠距離じゃ二挺拳銃使ってるんだったな。近距離じゃ持ち替えてたみたいだけど」
「あ、試合映像見てくれたんスか? そうなんスよ。もしあんな戦いかたができればウチの特殊兵器とも相性がよさそうなんで憧れるッス」
この前からなんだかフォルテさんがダリルさんに懐いてる。頼りになりそうっていうのもあるのかな、気持ちはわかる気がする。
「紫音ちゃん、ご苦労さま。おかげで上手くいったわ」
そう言いながら楯無さんは労ってくれる。その手で小気味いい音を立てながら扇子を広げそこには『見事』の文字が書かれていた。……何種類持っているんだろう? というか、よく都合よく状況に合う文字の扇子を持っているよね。
まぁ、こうやって楯無さんが褒めてくれるのは素直に嬉しいけど、とはいえ……。
「全て楯無さんの思い通りの展開のようでなんだか釈然としませんが……」
「あら、なんのことかしら」
やっぱり今度何かしらやり返そう、うん。
その後僕らは虚さんの紅茶に舌鼓を打ちつつ談笑を続ける。ちなみに、ダリルさんの役職は会計監査ということになった。これもフォルテさん同様、名目上のものなので実務はほとんどなく緊急時のヘルプ要員という扱いだ。その後、簡単な食事を虚さんが出してくれたのでみんなでそれを今日は夕食替わりということにした。その後ある程度の時間を経て解散となった。僕と楯無さんはそのまま一緒に部屋に帰る。
少し話をしようかと思ったけど、シャワーを浴びてすぐに急激な眠気が襲ってくる。模擬戦のせいで疲れているんだろうと思い、そのまま眠気に身を任せてベッドで眠りについた。
明らかに疲れとは違っていた自分の体の違和感に僕は最後まで気付かなかった。
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