Introduction
第十話 地獄の番犬
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蹴りを放つ。これはダリルさんの肘で叩き落とされるものの、勢いを完全には殺されなかったのでそのまま片足に刺さり体勢を崩すことができた。畳み掛けるべく腕で受け止めていた脚を掴みあげて地面に叩き付ける。
追撃をかけようとするが、先ほどのダメージからすぐには動けずダリルさんに体勢を立て直す隙を与えてしまう。一方の彼女も立ち上がりつつも銃口をこちらに向けるにとどまり、2mほどの間隔を地上でおき向かい合う形になった。
『っつぅー、格闘戦には自信あったんだがなー。対応早いじゃねぇか』
若干の距離を置いたことでダリルさんの今の状況を改めて確認することができた。いつの間にか彼女の脚部の装甲が変わっており、脛や甲の部分は刃のように、つま先と踵部分は切っ先のように鋭い。恐らくあれは二挺拳銃と同じ、一連の武装なのだろう。
「なるほど、二挺拳銃による近距離格闘射撃に加えて足技による一人三位一体攻撃。さながら三つ首を持つケルベロスというわけですか。かなりアレンジが加わってますがガン・カタというものですか?」
『ち、よく知ってるな。俺の国にあった映画が元なんだが、まぁ足技加えたせいであんま原型残ってないけどな。そんでこいつらが俺の相棒のハデス』
そう言いながらダリルさんは両手に持つ拳銃を少しだけ上げてアピールする。もちろん銃口を逸らすような愚行はしてくれない。
『あー、お前たち。一般的なIS戦においては火器類による戦闘メインになるが先ほどのように剣術はもちろん徒手空拳による近距離戦はいざというときに役立つ。これらはIS関係なく日頃の鍛錬が重要だ。……それからケイシーの真似はしようとは思うなよ、参考にならんぞ』
『……酷い言いぐさだな』
気のせいか呆れも含んだ千冬さんの解説にダリルさんが肩を竦める。確かにガン・カタって派手でカッコいいんだけどあくまで架空の武術だし実戦的かと言われると首を傾げたくなる。でも彼女のそれはIS独自の空間戦闘と足技を加えることで、新しい武術にまで昇華にしている気がする。
『さて、水を差すようで悪いがそろそろ時間も押している。5分以内で決着をつけろ』
『だ、そうだ』
「こちらは先ほどの攻撃を受けてシールドエネルギーも残り僅かですからね。元よりそのつもりです」
序盤に削られた分とさっきの直撃が痛で僕のシールドエネルギーはほとんど残っていない。
だから。
「次で」
『終いだ!』
ダリルさんが待つハデスから眩いばかりの光が放たれる。
刹那、僕はネームレスを自分の正面に、剣の腹を相手に向けて呼び出して地面に刺すことで盾にすると同時に自分の姿を隠す。銃撃を防いだ僕はそのまま一気に仕掛けるべくブーストをかける。
『ち、右か左か……』
目晦ましとなるネームレスの左右どちら
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