Introduction
第十話 地獄の番犬
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ていたかもしれないが、それをしないところを見るとどうやらもう使えないみたい。すぐさまネームレスはダリルさんのいた位置に到達するが、それをダリルさんはギリギリで躱す。しかし、既にそれに追いついた僕はそのまま避けられ、意味を成さなくなるはずだったネームレスを掴み直し腰を捻りながらそのまま横に薙ぎ払った。ギリギリで避けていたため、これなら必中のタイミングのはず!
「はあぁ!」
『ちっ』
でもそれも何かに阻まれ勢いを失い、金属同士の激しい衝突音が響き渡る。そのまま切り払おうとも思ったが拮抗してしまい、つばぜり合いのような形になってしまった。その際に何で止められたのかが目に入る。ネームレスの一撃を防いだのはダリルさんの装甲と同じ漆黒の二挺の拳銃だった。銃身が長く、特徴的な形をしている。生半可な武装だったらそれごと切り払うことができたはず、何か特殊な武装なんだろうか。でも、このままブーストをかけて押し切れば一瞬とはいえ出力では上回るはず。
『ヘル・ハウンドの別名知ってっかー? ブラックドッグ、地獄の番犬……そして』
このまま勝負を決めようとする僕に対して、静かに語りかけてくるダリルさん。それに応じる余裕もないのでそのまま一気に押し込もうとした刹那、血が凍るような感覚が全身を駆け巡る。
『ケルベロスだ』
次の瞬間、直前までの意志とは逆に背後に向かってブーストをかけ少し距離を取ってしまう。だがその直後に全くの死角だった下方から、何かが目の前を通過した。すぐさまその方向に目を向けるとそれは……脚! 気づいたときにはブーストで距離を詰めながら勢いを増した踵が襲ってくる。
なんとか体勢を立て直して僕はネームレスでその踵落としを防ぐが、それすらも読んでいたらしいダリルさんはネームレスを踏み台に跳躍しそのまま僕を飛び越え、反転しながら僕の背中へと二挺の拳銃を一気に撃ち放つ。彼女が飛び上がる勢いで体勢を崩された僕にそれを躱す術はなく、そのまま背後から射撃を受けてしまった。
「くぅっ……!」
一気にシールドエネルギーが削られ、衝撃が襲ってくるが背後を取られた以上立ち止れない。すぐさま体を回転させると同時にネームレスで薙ぎ払うものの、ダリルさんは先ほどと同じように間合いを詰めつつ銃身で防ぎ、再び下方からの蹴りが襲ってくる。僕はこれも同じように後方に躱すと、やはり踵落としへと続くが同じ攻撃を二度喰らうつもりはない。すぐさまダリルさんに向かってブーストをかけ直しつつネームレスをストレージに戻す。急反転によるGが体を襲うが、気にしていられない。
腕をクロスし、できるだけ足の根本で受けて踵落としを防ぐ。勢いがつく前に根本で止めることでダメージを最小限に抑えつつ先ほどのように背後に回られるのも防ぐ。すぐさま僕は横から彼女の腹部に向けて
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