Introduction
第十話 地獄の番犬
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があるからか。
とはいえ、状況はあまりよくない。ダリルさんが操るデザートフォックスは一発一発の威力こそ低いものの制圧力が高い。しかも二挺を巧みに使い分け、一方は僕を直接狙いダメージを狙いもう一方で僕の動きを制限しくる。今は、ダリルさんの周囲に円を基本としつつ不規則に動き続けているからなんとか直撃は避けているものの、少しでも動きを止めたり不用意に近づこうとすれば一気に削られるだろう。
『ほら、どうしたー。逃げてるだけじゃ勝てねぇぞー』
確かにその通り、このままじゃジリ貧だ。でも手はある。
狙いは……。
「ここ!」
弾切れの瞬間! ISの武装がいくら通常兵器に比べても優れてるとはいえ弾切れになればリロードが必要なことは変わらない。僕を狙っていたデザート・フォックスの掃射が一瞬止んだ瞬間に僕はブースターを少しだけ起動して一気に方向転換し、接近を図る。
『狙いは悪くない、だが……甘ぇ!』
彼女の声と同時に僕のすぐ脇を眩いばかりの光が横切る。一部が装甲を掠めたためバランスを崩したもののなんとか体勢を立て直しすぐさま迫ってきた弾幕から慌てて逃げる。
何が起きたのかわからず彼女のほうを見ると、いつの間にか片手に見慣れない武装を持っておりそれも一瞬でデザート・フォックスに持ち直してしまった。既に両方のリロードは完了しているらしく、再び先ほどの状況に戻ってしまった。
『ちっ、まだ試作品だけあって精度は低いな。だが威力は十分そうだ』
『今のが高速切替だ。状況に応じて武装を自在に操れるだけでなくリロードの隙もほとんどない。これがどんなに有用か分かるだろう。高速切替とまでいかずとも、通常の武装の展開速度もどれほど戦況に影響するか理解しろ』
高速切替か……。ただでさえ、二挺展開が厄介なのにそれぞれのリロードのタイミングをズラした上に他の武装で隙を補ってくる。切替の時間もコンマ1秒未満。それにあのレーザー兵器のようなものはまともに受けたらひとたまりもない。
どうやら試作品のようだけど使うタイミングがうまい、今まで使ってこなかったのはもしかしたら単発でしか使えないのか多用できないのか。でも存在とその威力を知った以上、僕は警戒せざるを得ない。
とはいえ、このままでは状況は悪くなる一方。
もともと今の僕は近づかなければ戦いにならないんだから、多少のリスクは仕方がない。
ならば、と僕は月読の唯一の武装である剣、ネームレスを呼び出し、それを……。
ダリルさんに刃の先端を向けて投げつけた。
『なっ!』
一瞬、意表をついたことで鈍った弾幕の隙を逃さずにブーストをフル稼働して一気に距離を詰める。先ほどのレーザーでネームレスごと焼き払われたらそれで終わっ
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