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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Introduction
第十話 地獄の番犬
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れるんだろ?」

 あぁ、なんか完全に誘導されてますよ、ダリルさん。そんなバトルジャンキーみたいな視線を僕に向けないで!? いや、確かにフォルテさんや楯無さんとの模擬戦はワクワクしたけど……あれ、もしかして僕もその気があるのか、いやいやいや。

「どうした! 授業中なんだ、早くしろ!」
「は、はい!」

 千冬さんの鋭い声が響く。どちらにしろ千冬さんに授業の中で指名された以上もともと拒否権はないんだけどね、楯無さんのいいように利用された感じがちょっと納得できない。うぅ、今度何かしらやり返してやる。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ということで、目の前のダリルさんはやる気十分な訳で……。僕も現実逃避の回想から戻ってきて意識を切り替える。流れは変わったけど、僕が勝てば必然的にダリルさんは生徒会に入ることになるだろう。僕は楯無さんには負けているからね。
 とはいえ、僕が負けても次に楯無さんが日を改めて戦うだけだろうからリスクはない。なら思いきりやるだけだ。どちらにしろやるからには負けたくない。前回の模擬戦で気づいたことだけど僕はどうやら負けず嫌いらしいからね。

 相手は下手すれば僕が勝てなかった楯無さんクラス。少なくとも僕よりは確実に経験は上だろう。それに前回の模擬戦と違って、ヘル・ハウンドV2.5との戦闘シミュレーションはやっていない。ある程度の情報は知っているけど基本スペックくらい。
 一方、僕は前回の模擬戦で手の内はほとんど見せてしまっている。ダリルさんは試合を生では見てないだろうけど僕や楯無さんに興味を持っていたようだから映像データを見ている可能性は高い。となると正攻法では分が悪い。

『さて、授業ということもあるから私が時々生徒たちに状況などを解説する。気が散るとは思うが我慢しろ。それから無茶だけはしてくれるなよ』

 アリーナ全体に聞こえてくる千冬さんらしい有無を言わせぬ物言いに僕は苦笑する。忘れかけていたけど授業中だった。

『よし、では……はじめ!』

 スタートと同時、まずは距離をつめようどブーストを試みるがそれよりも早く目の前に弾幕が張られ遮られる。当てることを目的としたものではなく、明らかに僕が近づこうとすることを読んだ上での牽制だ。いつの間にかダリルさんの両手には長大な機関銃が二挺握られている。あれは確か、五九口径重機関銃デザートフォックス。

『いいか、第三世代型の開発が進んでるとはいえ未だ世界の主流は第二世代だ。そして第二世代を扱う際にまず重要になるのは武装の選択になる。今ケイシーが使用しているのも世界的にポピュラーではあるが、それ故に汎用性が高い』

 僕がダリルさんが作り出す弾幕を躱し続ける間に千冬さんの解説が聞こえる。気になってしまうのは集中できないのか、まだ僕に余裕
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