暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Introduction
第九話 褐色の問題児
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
わけですね?」
「そういう訳だ。……まぁ、お前の言おうとしてることはある程度予想できるが、一応聞いておこうか。それがどうした?」

 楯無さん、ここで切り出すのか。まぁ確かにダリルさん相手だと後回しにしていろいろ回りくどいことをするよりは直接いったのほうがいいかもしれない。

「よかったら、生徒会に入ってくれないかしら? 人手不足なの、今」
「却下だ、そんな面倒なのやってられるか」
「あら、もちろんメリットもあるわよ? とりあえず学園に黙認してもらって部活無所属の件も正式に解決できるし、今の停学の件も口利きできるわ。それに、多少の問題を今後起こしたとしても私が生徒会長権限で握りつぶすわ」
「……ったく、お前もなかなかの悪だな」
「いえいえ、ダリル先輩にはかないません」

 どこぞの時代劇的なやり取りをしながら『くっくっく』と笑い合う二人。本当に気が合うみたいだ……、というか別にダリル先輩はそこまで悪いことしてないと思うんだけどノリがいいな。

「だがそれでも却下だ。面倒事は嫌いなんだよ」
「私にはむしろ、あなたが自分から面倒事に首を突っ込んでいる気がするけど? それに、生徒会といっても面倒な仕事というよりは問題が起きたときのヘルプ要員だと思って頂戴。つまり、今あなたがやっているようなことを、正式に生徒会で受け持つということよ」

 と、そこまで楯無さんが言い切ったところでダリルさんの雰囲気が急に変わる。今までの気怠そうな感じは微塵もなく、表情が引き締められた。

「……てめぇ、なんでそれを」
「ダリルさんもご存知のように、私は"更識"、それが答え」
 
 今までダリルさんが関わった事件にどうも表沙汰にできないものがあって、更識家がそれを掴んでいた、ということかな。そしてそれを生徒会が受け持つということは……一つしかない。亡国機業だ。

「なるほどな……いいだろう。だが条件がある」

 そのまま少しの時間、楯無さんを睨み続けた後に今までに無いくらいの迫力を込めて言葉を続けるダリルさん。僕らはそのまま無言で続きを促した。

「俺は自分より弱いやつの命令に従うつもりはない。だから楯無……俺と勝負しろ」

 また……波乱の予感がする。

 

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ