Introduction
第八話 新生徒会始動
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急遽変更となったクラス対抗戦のルール。わかってはいたけど、予想通りの展開になった。
試合開始直後に一斉に僕を狙ってきた他のクラスの代表達。そんな中で薫子さんだけが突撃したけど、そのせいで一斉射撃をモロに被弾して、真っ先に戦闘不能になっていた。
その後も同じように僕を執拗に狙ってきたから、うまく射線を誘導しながら避けつつ同士討ちを狙っていく。結果、目の前に広がるのはお互いの攻撃に被弾して動けなくなった打鉄とラファール・リヴァイヴ。
今この場で無傷なのは、僕の月読と少し距離を置いて宙に佇む4組代表のサラ・ウェルキンさんが操るラファール・リヴァイヴ。彼女は僕の意図を上手く読みながら、先読みした牽制と射撃を繰り返してきて何度か危ない場面もあった。薫子さんが要注意と言っていたのもわかる、なかなかの技術だった。
『あらあら、他の方が全滅する前にせめて一撃は与えておきたかったのですけど駄目でしたか。先日拝見した模擬戦でわかってはいましたがさすがですねぇ、西園寺さん』
「いえ、何度か危ない場面もありました。さすがはイギリス代表候補生です、ウェルキンさん」
戦況が一段落ついたころを見計らってオープン・チャネルで話しかけてくるウェルキンさん。もっとも、手に持った火器の銃口はこちらに向けたままで、油断は欠片も見えない。
彼女とは今まで面識はなかったものの、どうやら向こうはこちらのことを前回の模擬戦で観ていたようだ。 彼女の話し方はおっとりとした口調で、妙に大人っぽい。
僕も返事をするけど、お世辞などではなく本心だった。何の連携も取れていない状態の入り乱れた戦況を把握しながら的確に動くのはなかなか難しい。それに彼女は専用機でなく、訓練用のラファール・リヴァイヴを使用しているのだから。
『ふふ、あなたにそう言って頂けるのは光栄です。とはいえ、私も最後まで諦めませんので今しばらくお付き合いください』
「もちろんです、全力でお相手させていただきます」
その後、数秒の間を置いたあとにウェルキンさんから苛烈な射撃があったもののすぐさま回避しつつイグニッションブーストで接近し、ネームレスを数太刀浴びせて終わらせた。
状況的にはフォルテさんとの状況に似ているけどやはり専用機と訓練機との差は大きいようで、接近した後はほとんど何もできないようだった。とはいえウェルキンさん本人の実力はフォルテさんと同等かそれ以上はあるのではないだろうか。同じ機体同士で戦ったら僕だって負ける可能性は十分にある。
ともあれ、とりあえずクラス対抗戦は優勝という形で終わることができてホッとした。負けるつもりはなかったけど、いざ戦闘になったら何があるかわからないからね。
歓声鳴り止まないアリーナーを背に、ピットに戻った僕はそのまま戻ろうとすると、同じピット
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