Introduction
第七話 更識楯無
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となの!?
「たた、楯無さん! なんでそんな格好してるの!」
あまりもあまりな状況で思わず素が出てしまったけど今更気にしても仕方ない。僕は叫びながらすぐに後ろを向いた。あれ? 今回はバレてるならすぐに部屋出たほうがよかったかな……? せっかく決心したからかそのまま部屋に入ってしまった……。
「あら別にいいじゃない、減るもんでもないし。……それとも私の格好に欲情しちゃったかしら〜?」
なんてことを言い出すんだこの人は! きっと今、ものすごいニヤニヤしてると思う。顔は見えないけど絶対そうだ。
「そ、そんなことないよ!」
そうは言ったけど僕の顔も赤くなってそうだなぁ。というか、昨日もそうだったけどあんな格好なのに大事なとこはしっかり隠していたあたり確信的にやってるのは間違いないんだけど……。
「ほら、服着たからこっちいらっしゃい。……聞きたいこともあるんでしょ?」
「……わかりました」
恐る恐る振り返ると、ちゃんと本当にちゃんと服を着てくれていて、彼女のベッドに腰掛けていた。ホッとした僕はそのまま相対するように自分のベッドに座る。
「さて、それじゃちょっと真面目な話をしましょうか、紫苑君」
今まで見たことがないくらい真剣な顔を見せる楯無さん。
「……やっぱり全て知ってるんですね」
「そうね、あなたが男だってことも知ってるわ」
直接聞くまでは、もしかしたらとも思ったけどやっぱり全部知っているみたいだ。ここまで断言できるってことは今さら下手な言い訳しても無駄だろうね。
「いつ気づいたんですか?」
「ふふ、そんなに畏まらないでいいわよ。さっきのがあなたの素でしょう? 二人で話すときはそっちでいいわ。で、いつかって言われると最初からよ」
さっき思わず出てしまった言葉を聞き取っていたらしい……。
それに最初から知っていた? ってことは今までずっと知ってた上で接してきたってこと? ならなんでこのタイミングで? だめだ、余計混乱してきた。
「私の家が対暗部を主とした暗部だってのは知ってるわよね。その関係上、いろんな情報が入ってくるのよ。……例えば、西園寺家の双子の片割れが正体不明の病で倒れた、とかね」
どうやら西園寺の家は更識を、というより楯無さんを甘く見ていたようだね。紫音が倒れたときに、僕の家はすぐに情報を隠蔽していて、事情を知っているのは僕に入学用の教育を施した人や一部の人に限られるし、その人たちもかなりの監視を受けているって聞いた。そして矛盾が発生しないように、紫苑が海外に留学したことになっている。そんな状況で楯無さんは僕らのことを探り当てたのか……。
「そう……。なら何ですぐに僕のことを学園に報告するなり警察に突き
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