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第六十九話 終わりに向けて
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シリスの容姿について会話が続くことはなかった。

「んで、言われたとおりにしたが・・・どうするんだ?」

「まぁ、それは見てのお楽しみってことで・・・」

そういうと、先ほどまで刀として使っていたレーヴァテインを消すと左手を掲げながら魔法の詠唱を始める。

「ん・・・?」

通常の魔法は詠唱をし始めるとスペルが円環状に詠唱者の周囲を回り、正確に発音されたものだけが残り、最終的に文章となって術者の前面に表示され発動される。
しかし、ソレイユが詠唱している魔法はスペルが円環状に詠唱者の周りを回っておらず、左手に巻き付けられているレーヴァテインが紅色と黄金色が混じった光を放っている。

そして、詠唱が終わったソレイユが掲げた左手を降り下ろした瞬間――白い光が世界を覆い、世界から音が消え去った。



「あー、なるほど。そういうことか」

「どういうことっすか?」

納得顔のオシリスと訳の分からないシリウス。二人の周りには≪Immortal Object≫という表記が表示されている。つまりそれは、通常ならば今この瞬間もダメージを食らっているということに他ならない。現に周りにいた騎士達は次々とポリゴン片になって消えていっている。

「おい、おまえのその左手に巻かれているのってレーヴァテインだろ?」

「ご名答。いつ気がついた?」

「さっき刀を戻したときだな」

オシリスの言葉にソレイユが関心いていると、シリウスが口を挟んできた。

「なぁ、俺にもわかるように説明してほしいんだが・・・」

「ああ、すまん。俺の左手に巻かれてるのがレーヴァテインっていってな、伝説級武器に数えられる一つなんだ。エクストラ効果は≪ヴァリアブル・シフト≫。まぁ、これの説明は後ほどするとして。レーヴァテインってのは北欧神話で結構な知名度を誇るんだが、その形状のことは明確に記載されていないんだ」

「ふぅーん。それと今の状況とどういう関係があるんだ?」

「簡単に言うと、これは“レーヴァテイン”っていう魔法なんだよ」

「・・・はぁ、魔法?」

ソレイユが炎の壁を差しながら説明すると、シリウスは素っ頓狂な声をだす。

「そう、魔法だ。詰まるところ、このゲームのレーヴァテインっていうのは“どんな攻撃も行えるアイテム”と言った方がいいかもしれん」

「んな、無茶苦茶な・・・」

レーヴァテインの案をだした運営に呆れるのと同時に、それを容赦なく使うソレイユにもシリウスは呆れた。

「ちなみに効果は、“使用者の魔力値が続く間、一定範囲内にいる全対象に継続ダメージを与える”っていうものだ」

「おい、それって・・・」

「ああ。“一定範囲内にいる全対象”だから使った使用者すらダメージが及ぶな。初めて
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