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第六十九話 終わりに向けて
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んー、思いつかないなー」

打つ手がない状況のソレイユとシリウス。だが、そんな二人を待ってくれるはずもなく騎士たちは二人に襲いかかってくる。打つ手がないにしてもやられる訳にも行かないので応戦する二人であったが、先ほどまでと比べて圧倒的に数が増しているので、捌くのも先ほどまでとは比べものにならない、はずなのだが――

「ホントにどうするんだよ?」

「お前の意見は?」

「特になし」

「おい・・・」

二人には会話する余裕すらあった。だが、やはり打つ手がないので捌くだけで一方に前進できない。

「おいおい、このままじゃ、ジリ貧だぜ!」

「んなことはわかってるよ!」

シリウスの言いたいことはソレイユも当然わかっている。しかし、今の段階で打つ手はない。

「(状況がもっと違えば手もあったんだがな・・・)」

さてどうするか、そんなことを心の中で考えていると隙ができたと見た騎士が突っ込んでくる。だが、そんな隙がソレイユに生じるはずもなく、難なく返り討ちにしようとした、その瞬間――光の衝撃波が入り口の方から飛んできた。

「うおっ・・・!」

「・・・・・・」

射線上にいたシリウスとソレイユはその衝撃波をなんなく避ける。ソレイユを攻撃しようとしていた騎士が何体か射線上にいたため、突然襲い掛かってきた衝撃波を避けることが叶わず直撃してしまう。思いの外攻撃力があるのか衝撃波を食らった騎士はその一撃のみでポリゴン片となって消えていく。しかも、貫通力もしっかりと備わっているらしく、後ろにいた騎士たちもその光の衝撃波の餌食になっていった。

「「・・・・・・」」

無言でポリゴン片となった騎士を看取った二人は衝撃波が飛んできた方に視線を向ける、とそこにいたのは、二人――特にソレイユ――の知っている顔があった。
だが、騎士たちからしてみればそんなことは関係なく、倒すべき対象が増えたため新たに現れた男にも襲いかかっていく。

「よう、久しぶりだな。剣聖、神槍!」

ローブを羽織り、翼を模した剣を持って現れた男は複数の騎士が襲いかかってくる中でも飄々と剣を持っていない方の手を上げながら挨拶をした。

「ああ、久しぶりだな。冥王」

「どうもっす。流星さん」

懐かしい二つ名で呼ばれた二人は同じく二つ名で返す。新しく現れた男――≪冥王≫オシリスこと高峰恭介――は迫りくる敵を葬りながらソレイユたちがいるところまで高速で飛んでくる。

「随分と苦戦してるなぁ」

「・・・二人だからな。苦戦して当然だって」

「おいおい。たった一人で不死鳥クエストをクリアした奴の台詞とは思えんな」

「あれとここでは趣旨が違いすぎるだろ」

レジェンド・クエストの一つ【不死鳥の守護】は押し寄せる
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