暁 〜小説投稿サイト〜
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フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十九話 終わりに向けて
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を見上げると、精緻な装飾が施されたリング型のゲートを十字に分割した石版がそのゲートを閉ざしている。

「あれがゴールか」

「みたいだな」

それだけ言うと、二人は顔を見合わせ頷くと地面を勢いよく蹴り翅を羽ばたかした。そんな二人を行かせまいと、壁の紋様となっているステンドグラスらしきものから巨躯の騎士が現れ、二人の邪魔をせんと立ちはだかる。だが、そんな騎士たちを無視してソレイユとシリウスは天蓋へと向けて出来うる限りの速度で上昇し続ける。当然それを阻止するべく追いつこうとする騎士や遠距離攻撃をする騎士もいるがその悉くをよける二人。だが――

「あー、楽できるのはここまでか・・・」

「だな」

半分まで上り詰めた二人を待っていたのは先ほどまでとは比べものにならない数の騎士たちだった。

「どうするよ?」

「倒す数は最小限に押さえる。つかず離れずの距離を保ちながら上に行くぞ」

「はいよ」

背中を預けあうソレイユとシリウス。だが、そんなことお構いなしに騎士たちは二人に襲いかかっていく。

「そういや、お前魔法は?」

「修得してんぜ。火と水な」

「何でその二つなんだよ?」

「ああ、実はグリモワールっつーアイテムでな」

「ああ、なるほど・・・」

シリウスの言わんとしていることがわかったソレイユはそこから先を聞こうとはしなかった。ほんとにグリモワールって珍しいアイテムなのか?などとソレイユは疑問に思い始めた。
ちなみに、会話をしている最中でも二人は騎士たちの相手をしている。最初から本気なのかエクリシスと刀状のレーヴァテインで騎士たちを一撃で葬っていくソレイユ。装飾の施された槍を巧みに操り騎士たちを串刺しにしていくシリウス。お互いが背中を守るよう立ち回る二人に死角はなく、騎士たちは次から次へと倒されていく。騎士たちの相手を最小限に押さえながら天蓋に向けて上昇していくソレイユとシリウス。だが、二人が四分の三をすぎたあたりであり得ないものを目にした。

「おいおい・・・」

「・・・・・・」

シリウスは思わず声を出してしまい、ソレイユは静かにため息を吐いた。二人が見た光景は、天蓋を覆い尽くす数の騎士たちの姿だった。上昇することをやめたソレイユが試しに魔法を詠唱し始める。手を掲げると巨大な炎が現れる。その炎は徐々に細長く延びていき巨大な槍の形となり、ソレイユはそれを天蓋近くの敵に投擲する。着弾する炎の槍。燃え広がる爆炎。騎士たちはなすすべなく焼かれて燃え散っていく。

「・・・焼け石に水かー・・・」

しかし、ソレイユが燃え散らす騎士よりも騎士のポップ率の方が圧倒しているのか、ローカルティ・エターナル・エンドで空けた穴が直ぐに埋まってしまう。

「どうするよ?」


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