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第六十八話 余裕がない心
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きことはキリトの救出である。

「リーファ、おれが先陣を切るからキリトのリメインライトの回収よろしく」

「ソレイユ君はどうするの?」

「出来るだけ敵を引き付ける。中がどうなってるかわからないが、まぁ、やれるだけやってみるさ」

「・・・わかった・・・」

簡潔に作戦会議をし終えると開いている分厚い石扉を翅を羽ばたかせて勢いよく潜る。ドームの中に入った二人は周りを見渡しキリトの姿を探す。ソレイユとリーファが真上を見上げると、天蓋近くに灰色のリメインライトがあった。

「っ!?」

それを見たリーファが即座に飛び出すが、それよりも早くソレイユが翅を羽ばたかし最短進路の敵を屠っていく。だが、キリトのリメインライトに近づくにつれ大量の守護騎士とおもしきMobが二人の行く手を阻む。

「(おいおい・・・こりゃ・・・)」

そこでソレイユは一つだけ気が付いたことがあった。

「(・・・天蓋に近づくにつれて敵のポップ率があがる、のか?)」

確信は持てないがそれ以外に今の状況を説明できるものはない。だが、一対多になれているソレイユは周りの状況確認を決しておろそかにしない。少しでも異変があれば気づくようにしている。奇しくもそれは、SAO時代に高嶺恭介が手掛けたレジェンド・クエストで養われた能力(ちから)だった。

「ちっ!」

エクリシスだけでは守護騎士たちを捌くのが間に合わないので、レーヴァテインを刀状にして顕現させ、二刀を使って守護騎士たちを屠っていく。その隙にリーファがキリトのリメインライトの回収に向かうが、やはりというべきか数えきれないほどの守護騎士たちがリーファの行く手を阻む。リーファは腰の長剣を抜き、守護騎士たちの攻撃をいなしながらキリトのリメインライトのもとへ到着すると一直線に出口に向かって翅を羽ばたかす。だが、そうは問屋が卸してくれない。リーファ目掛けて守護騎士たちが矢や光の魔法を放つが、それをソレイユが魔法で焼き払い無効化したためリーファに届くことはなかった。よくこんな乱戦時にそんな器用なこと――魔法で魔法を無力化すること――できるね、と横目に見ていたリーファは心の中で呟いた。



無事に生還したリーファがリメインライトに≪世界樹の雫≫をふりかけると、たちまちその場に蘇生スペルをかけたような立体魔方陣が展開すると、数秒後、黒衣の剣士が実体化した。それに安著したリーファは次に守護騎士の相手を引き受けたソレイユのことが心配になりドームの入り口に目を向けると、無傷なままのソレイユが下りてくるところだった。

「よう。無事に生き返ったみたいだな」

「ああ、おかげさまでな」

「・・・さて、あれをどうやってクリアするか・・・」

キリトの無事を確認したソレイユが考えるのはこれからの
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