第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第44話 リズのお願いクエスト1
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「は? なんじゃこりゃ?」
「どうしたの?」
「いや……なんでもない」
メッセージの最後に書いていたことに、思わず声をあげる。
「そう? ならいいけど…………あれ? シリカは?」
「へっ?」
リズの言葉を聞き、俺も辺りを見渡すがシリカの姿がない。
なので俺はメニューウィンドウを出しシリカの居場所を確認する。
「えっと……この木の俺たちのいる場所から、ぐるりと半周したところにいるな」
「つまりこの木の反対側ってこと? なんでそんなとこにいるのよ?」
「さあ?」
とりあえず俺は、リズと首を一緒に傾げながらシリカの所に向かうことにした。
「あ! お兄ちゃん。やっと来たんだ」
シリカと合流すると、シリカが「あと少し遅かったら電話するところだったよー」と妹モードで言ってきた。
……いや、シリカが勝手にいなくなっといて、遅いと文句を言われなきゃいけないんだ。――という考えが頭に浮かんだのだが……俺はものごとに集中してると、どうも無意識に返事をしてしまうことが結構あるので、ここで素直に言葉を返せないのだった。
「……シリカ。お前こんな所で何してるんだ……?」
「いや、とりあえず木を一周してみようかと思って、来てみたら……」
そう言って木に向かって指を向ける。シリカの指の先を見ると――
「扉?」
「そう。この扉が何かクエストに関係してるかも、と思って」
「多分そうよ! シリカ、よく見つけたわね!」
「ちょっと、リズさん。なんで頭を撫でてるんですか?」
「それはね……」
――大木にボス部屋に入るための扉までとは言わないが、結構なの大きさの扉があった。扉は苔などで完全に大木と同化していて、シリカに言われなければ気づかなかっただろう。
その扉を見つけたシリカを、リズが頭を撫でながら褒める。
そのあと二人は何かしら喋っていたのだが……なんか会話が女子のノリになって来ていたので、思考を切り替え、先ほどのアルゴのメッセージを思い出す。
(……アルゴの言った通り、大木に扉があった。……と、いうことは)
二人をよそに大木に近づき、扉に触れる。
すると『パーティーメンバーのレベルの平均が指定より高いのを確認しました』という言葉の文字が現れたあとに、『!』というマークが出て、クエスト承諾に関する情報が俺の前に出現した。
『この扉を開けるためには《ワシバチの蜜》をパーティー人数×30消費するか、または合言葉を言ってください』
うわっ、マジで合言葉が必要なのかよ。こんなセリフ言うのは嫌だぞ。……いや、セリフ自体はそんな問題はないが、言った後のシリカたちの見る目を考えると嫌だ。
だからと言って、今から《ワシバチの蜜》――花形モンスターと一緒に出現する蜂の姿をしたモンスターのド
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