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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第44話 リズのお願いクエスト1
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ざった表情で言った。
「……確かに家で聞いた内容と同じく大きな木はあったけど、これからどうやってクエストを受けるんだ?」
 そのまま俺たちは大木(たいぼく)に近づき、俺は木に手をあててそう言った。
 手をあてたら、クエスト発生の『!』のマークが出るかと思ったが、そういうわけでもないらしい。
「そうなのよね……。ここからどうすればいいのか……」
「リズ……お前、マジで何にも分からずクエストを受けに来たのか? こう言っちゃなんだけど、普通はもっと情報を集めてからくるぞ」
「わ、悪かったわね! でもこのクエストの情報は、お客さんの一人が情報屋から買った情報だって言って、剣の強化の時に五百コルほど足りないから、お金のかわりに聞いた情報なの」
「……アルゴから?」
「そう。しかもお客さんのお金が足りなくなった理由が『アルゴの情報を買ったから』らしいわ。だから、その情報をあたしに聞かしてくれたら、その分安くしてあげるって言ったの。――それで情報を話し終わったその人が、最後に『俺にはレベルが高すぎた』とか言ってたから、多分受けられなかったんじゃない? だからそんなに詳しい話は聞けなかったの」
「そうか……」
 アルゴがこのクエストに関する情報を売ったのか。……それなら、もっと詳しい説明があるはずなのだが……。
 ――と、少しアルゴの情報に関して不思議に思っていると、つい少し前に送信が可能になったので、アルゴへ送ったメッセージの返信が丁度よく届いた。
「悪いリズ。メッセージが届いたから見るぞ」
 礼儀として、一応リズにそう言ってからメッセージを開いた。
『シュウ助。そのクエストに関しては、あまり情報が入ってないんダ。理由は二つほどアル。――一つはその層はいわゆるデートスポットと言うことで、あまり男だけのプレイヤーが近づかなイ。つまり大半が男という攻略組は、イコールその層にもほとんど近づかなイ』
 確かに攻略組がこれないんじゃ、六人パーティーでも平均レベル65というのは受けられないのとほとんど同じだろう。今の攻略組のレベル平均からして、レベル70くらいなら攻略組の中でも上の方だしな。
『二つ目は期限が五十六層の主街区の有効化(アクティベート)から二か月と決められていることダ。しかもクエストに関しての情報を手に入れるのに、かなり苦労すル。その為、ほとんどのプレイヤーは知ることもできないで終わル――ものだと思ったんだけド……シュウ助、このクエストについてどこで聞いたンダ? 正直、期間限定ということと簡単、しかも情報入手は自力じゃ苦労するという理由で、オイラもこの情報は高額で売ってたんだケド……。まあ何にしてもシュウ助が知ってる以上の事で、お金を取れるような情報はないヨ。最後にこないだのご飯のお礼としてオマケで教えるけド。受ける前に必要なことは――』
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