暁 〜小説投稿サイト〜
SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第44話 リズのお願いクエスト1
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話



 時刻は午前十時。リズからクエストの説明――といっても、クエストを受ける場所しかリズは知らなかったのだが――をしてもらったあと、俺たちは目的のクエストの場所へ向かった。
 その目的の場所とは――
「なあ、リズ。本当にこの層で金属が貰えるクエストが発生するのか?」
「うるさいわね。あたしだってお客に聞いた情報だから、本当にあるか分からないのよ」
「リズさん……」
 ――第四十七層。つまりはフラワーガーデンの層ということだ。
 この層に金属なんてあるとは思えないので聞いたんだが……リズの情報も当てにならないということか。
 なら(あらかじ)め言っとけよ、という気持ちをグッと抑え、情報が確かなのかアルゴにメッセージを送り確認することにした。
 けれども受信不可。フレンドリストで場所も確認してみたが、アルゴの事を確認できない。……ということは、多分だがクエストか何かで迷宮にでもいるのだろう。
「アルゴさん。なんて言ってきました?」
「いや、受信不可だった。またあとで送ってみる」
 そのメッセージをリズに気づかれないように送ったのだが……ウィンドウ画面を視覚化しなくても見えてしまうシリカにはバレてしまったらしく、やはりリズの情報に不安を感じたのかそう聞いてきた。
 ちなみに『お前の情報は信用できないから、情報屋に情報を聞くよ』とはリズに向かって言い出しにくく……そこまで思ってはないのだが、アルゴに聞くと言うと、リズにそういう意味にとられてしまうんじゃないかと思う。
 そう思ったのはシリカも同じらしいので、俺たちはお互いに《聞き耳》スキルがお互い820以上で修得できるようになる《聞き耳》スキルのModの《サイレントボイス》という、喋り声を限りなく消すものを使っていた。

 シリカ曰く、『silent(サイレント)』というのは『音をたてない、声を出さない』という意味らしい、つまり英語訳では『音をたてない声』ということになる。
 この訳の分からないスキルがなんで《聞き耳》スキルにどう関係あるかというと――この《聞き耳》スキルのMod、実は数少ない『同じスキルを持った者同士』を前提に修得するModなのだ。
 その効果は《聞き耳スキルを持つ人以外には自分の声が聞こえなくなる》というものだ。
 効果による声の聞こえる大きさは、《サイレントボイス》を習得しているプレイヤー同士は普通に聞こえるようになり、あとは熟練度に応じて聞きにくくなるらしい。先に修得した俺がシリカを試しに話したが、『少し聞きにくかったです』と言っていたことから、多分400以下のプレイヤーはほとんど聞き取れないだろう。
 ――ちなみにModというのは、スキルMod……Modify(モディファイ)の略で、各種スキルの熟練度を上げていくと一定の数値ごとに修得チャンスを
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ