第一幕 日本のお家その五
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皆でそのお寿司を食べます、先生はまずは卵を食べました。黄色い卵焼きが白い御飯に黒い海苔で付けられています。
そのお寿司をお箸で慣れない動きながらも食べてみますと。
先生はにこりと笑ってこう言いました。
「これは」
「美味しいね」
「うん、凄くね」
こう王子に答えます。
「これはいいね」
「これが日本のお寿司なんだ」
「いや、イギリスのものとは全く違うね」
「本場のお寿司はね」
「違うよ、これだと」
先生は卵のお寿司を食べながら言います。
「他のも期待出来るね」
「鮪もあるよ」
「鮪もだね」
「イギリスでは食べないお魚だけれどね」
「この赤いものだね」
先生はお寿司の中にある赤いものを見て王子に尋ねます。
「これだね」
「そうだよ、これがね」
「鮪だね」
「これも美味しいから」
その鮪もだというのです。
「食べればいいよ」
「うん、それじゃあね」
先生は卵の次はその鮪を食べました、その鮪もです。
凄く美味しいものでした、そして他のお魚も。
「平目も鯛も鮭も鰻も鯖もね」
「どれもいいね」
「あと巻き寿司もね」
それも食べてみるとです。
「いや、どれも美味しいね」
「そうだよね」
「このピンク色の薄いものも」
盆の端にあるそれも食べつつ言うのでした。
「いいね」
「ああ、それはね」
王子はそのピンク色の薄いものについても博士にお話します。
「生姜だよ」
「これが生姜なんだ」
「そう、日本では生姜をそうしても食べるんだ」
「成程、それは知らなかったよ」
「他にも色々な調理をしてね」
そうして食べるというのです。
「身体にもいいから」
「食べていいんだね」
「生姜は食べて悪いことはないよ」
むしろいいというのです。
「だからどんどん食べようね」
「生姜もね」
こうお話してでした、皆で。
お寿司を食べていきます、そしてなのでした。
お寿司をたらふく食べた後で、です。先生は満足した顔でこう王子に言いました。
「いや、お寿司はね」
「本当にだよね」
「美味しいよ」
こう言うのでした。
「本場はこうなんだね」
「そうだよ、それで日本にはね」
「日本には?」
「まだ美味しいものがあるから」
「イギリスにいる時に食べたすき焼きやこのお寿司以外にもだね」
「うん、あるから」
だからだというのです。
「これからも食べようね」
「そうだね、けれど」
「けれど?」
「僕はまだ和食についてはね」
「あまり知らないんだ」
「ちょっと勉強してみようかなってね」
「それなら実際にね」
王子は先生の言葉を聞いてにこりと笑って言いました。
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