第一幕 日本のお家その二
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「畳に襖に」
「そのお家でもあるんだね」
「そうだよ、ちゃぶ台もね」
それもあるというのです。
「あと電化製品もね」
「全部あるんだね」
「テレビもクーラーも電話もね」
その全部があるというのです。
「勿論冷蔵庫もね」
「凄いね、何でもあるんだね」
「もう買って揃えておいたから」
先生が来る前にというのです。
「お掃除もしておいたよ」
「そこまでしてくれたんだ」
「だって先生ってそうしたことには弱いから」
世の中のことや家事についてはです。先生は動物とお話をすることや学問のこととは違い全く以てどん臭いのです。
だからです、王子もそうしてたというのです。
「僕達でやっておいたんだ」
「そんなことまでしてもらうなんてね」
「このこともお礼はいいからね」
王子はここでも微笑んで先生に言いました。
「安心して暮らしてね」
「お家に帰ったら家事は私達がするからね」
「先生は安心してね」
ポリネシアとダブダブが言ってきます。
「それじゃあね」
「先生はお仕事に専念してね」
「僕はそういうことはてんで駄目だからね」
自分でも家事のことは駄目だと言う先生でした。
「日本でも皆に助けてもらうことになるね」
「いいよ、だって僕達家族じゃない」
ジップはその先生に笑って言いました。皆イギリスにいる時と同じで先生の周りに集まっています。そのうえで言ったのです。
「家族ならね」
「助けてくれるんだ」
「先生だからね」
皆の大好きな先生だからだというのです。
「イギリスにいる時と同じだよ」
「楽しくやろう、楽しく」
ガブガブも言ってきます。
「それじゃあね」
「そうだね、今見ただけだけれど日本もいい国みたいだし」
先生はここで窓の外を見ました、そこから日本の綺麗な街が見えています。
その街を見てです、先生は言うのでした。
「明るく楽しくね」
「うん、やっていこう」
「日本でもね」
動物達も明るく応えます、そうしてです。
先生達はお家に着きました、瓦の屋根の家が同じく瓦が上にある壁に囲まれていて木の門があります。そしてお庭はイギリスにはない木で一杯です。
しかもお池まであってです。動物達はそのお池のあるお庭や広い一階のお家の中、お庭の端にある物置まで見てから畳のお部屋にいる先生に言ってきます。
「お風呂とおトイレは別だよ」
「ソファーとかはないよ」
「テーブルもないね」
「玄関で靴を脱いで入ってるしね」
「イギリスのお家とは全然違うよね」
「お池もあるし」
「うん、僕も一回りしてきたけれど」
先生も当然靴を脱いでそこにいます、畳の上に立って言うのです。
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