第四十六話 少年期【29】
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よし、決めた」
俺の言葉に全員の視線が集中する。俺は1歩少女の前に歩み、お互いに目を合わせる。俺が考えた彼女にぴったりの名前。一緒に未来を歩んでいく妹への初めてのプレゼントを。
「人と人とを結ぶ輪のように、たくさんの繋がりを君には持ってほしい。多くの人たちと関わりながら、これからを楽しんで、そしてたくさん学んでほしい。強く固い縁をこの名前に。君の名前は……ウィンクルム」
絆。君とそして俺たち家族を象徴する証。今と、そして未来を結びつけ合えるような『絆』になれるように。
「ウィンクルム…」
『ふむ、絆か』
『良い名前ですね』
「にゃう」
『うん、奇跡だ…』
俺の名づけに感動するのか、戦慄するのかどっちかにしろや。声を揃えて、奇跡とか言うな。というか、友人連中が「こいつ偽物じゃない?」とか「宇宙から電波を拾ったんじゃ…」とか好き放題言っている。お前らは俺のネーミングセンスにどれだけ根を持っているんだよ!?
「えっと、ウィンクルムでどうかな?」
「……うん!」
アリシアがうさぎっ娘に聞くと、嬉しそうにパタパタ耳を動かしてくれた。どうやらお気に召してくれたらしい。見たか、これが俺の本気なんだ。ちゃんとやればできる子なんだって証明してやったぜ! ……普段からやれよ、という外野の言葉は聞こえない。
無事に名前が決まり、アリシアが名前を何度も呼びかけ、そのたびに元気に返事をするウィンクルム。そんな様子が微笑ましくて、気づけばみんなの顔にも笑顔が溢れていた。
……本当にありがとう、母さん。絶対に大切にするよ。
「あっ、そうそう。ウィンクルムにはお母さんの知識や技術をふんだんに取り入れさせたから、もし危ない目にあっても大丈夫だからね」
「……えっ」
僕の妹は最終兵器。なにそれ怖い。
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