Introduction
第六話 学園最強
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千冬さんに説明すると、途中から彼女が少し驚いた表情になった。
「爆発の直前……? そのあとに抜け出して反撃に至ったのは覚えていないのか?」
「抜け出して? 僕はそのまま爆発に巻き込まれて負けたと思ったんだけど」
千冬さんの言葉は僕にとっても意外なものだった。どうやら爆発自体は回避して、そのまま反撃をしようとした直前に倒れたらしい。単に記憶に残っていないだけなのか、無意識に動いていたのか……。
「……まぁ、お前に自覚がないのなら尚のことだ。月読はまだ不明な点が多すぎる。もう一度言うが、無理はするな」
「うん、ごめんね」
一回目の忠告と違い、今回は笑顔だったが心配してくれているのが伝わってきた。
彼女に余計な心配をかけてしまったことに罪悪感を感じてしまい、できる限り彼女に負担をかけないようにしようと改めて誓った。……いや僕の存在自体が彼女の心労を増やしているのは間違いないんだけどね!
「よく考えてみればお前が入学してからは、こうしてゆっくり話す機会がなかったな。どうだ、もう慣れたか?」
「いや、この環境に慣れたら慣れたでいろいろ終わりな気がするんだけど……」
うん、女子校に女装男子一人の環境に慣れたら男として終わりだよ……。
「そうか? もうすっかり溶け込んでいるように思ったが。というか私自身も最近お前が男だってことを忘れていたぞ」
「そんな……千冬さん酷い」
男であることを忘れるってどういうこと!? いや、それだけバレる可能性が少なくなってるっていうことなら歓迎するべきなのか……、いやでも。
「そういう仕草をするからだ。まるで拗ねた乙女だぞ、今のお前の顔は」
え、今僕はそんな顔してるの!? 全然意識してなかったよ、ちょっと待って。これ僕が卒業した後ちゃんと男に戻れるのかな! 大丈夫だよね!?
「ふふ、冗談だ。まぁ、溶け込めているのは本当だがな。とはいえ油断はするなよ」
「千冬さん!? 本気で自我が崩壊しかけましたよ、今!」
「たまには崩壊させた方がいいだろう。……そうしないと女生徒に囲まれて如何わしい妄想が暴走しかねんしな」
「そんなことしないよ!」
なんてことを言い出すんだこの人は。というかこういうキャラだった? 最近、教師としての千冬さんばかり見ていたからギャップが……。というかストレス溜まってるのは千冬さんなんじゃないか。
「ん? なんだ、健全な男子が女子に囲まれてなにも感じないとは……まさかお前はそっちの気があるのか?」
「なんでそうなるの! 僕だって耐えるのが大変……いや、そうじゃなくて!」
「くくく、お前の焦った顔というのもなかなか珍しいな。すまん、少しからかい過ぎた……、だがたまには力を抜いたほうがいい」
そう言って千冬さんは僕
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