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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その5
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ません。特に何か対策をおく必要があるのではないでしょうか?」
「ふん!何と浅はかな事を考えていらっしゃるのでしょう、白蓮さんのお友達とやらは。いいですか、素人さん。誇り高き名家の出身である、この袁本初が皇甫嵩殿に代わってお答えして差し上げますわ!敵がいかなる手段を講じたとして、我が軍は絶対に怯みません!雄々しく進み、勇ましく戦い、そして華麗に勝利を収める!分かり切った事を聞かないでもらえます?」
「ちょ、ちょっと袁紹さん!あなたがいくら将軍と言ってもそんな言い方・・・」「桃香、やめるんだ」

 可憐な連れを抑える北郷は冷静な瞳のまま、皇甫嵩のみを見詰めていた。その真摯な光に感心したのか将軍は首肯をした後、応える。

「先んじて言われてしまったが、私も袁紹殿と同じ意見だ、北郷殿。何が起きようが連合軍の方針は変わらない。起きたとて迅速に対処すればよい話であるし、それに義勇軍の面々には中々の強者がいると聞いておる。心配ならば、その者達を煙の出所へと向かわせればいい。戦場では徒にそなたらを縛ろうとは思っておらんからな」
「つまり、私達を遊撃隊として用いるおつもりという訳ですか。疑問に思うのであれば、自分達で動いて確認しても構わないと」
「もとより義勇軍は官軍の指揮系統に組み込んでいいものではない。その自由な足を使ってこそ本領が発揮されるものだ。作戦が開始して城内への突撃に成功したら、お前たちは自由に動くと良い」
「畏まりました。御心を砕いて下さって、有難うございます」
「なに。若い者が張り切るのはよいことだ。・・・さて、諸君。全体の流れが決まったという事で宜しいかな?なれば早速、各軍の配置を決めようではないか」

 彼の威風堂々たる言動によって諸将らは己の領分を弁え、それぞれ最適の役割を担わんと口火を切っていく。曹操もまた黄巾党に引導を渡すべく、誰よりも苛烈に、かつ理路整然として武を訴えていった。

「ふむ。ようやくまともな軍議になったようだな。いい緊張感だ」
「喋るべき者が喋らねば場は引き締まらない、という事だろう。華琳様は凄いな。そうは思わないか、仁ノ助」
「・・・ええ。さすがは英雄、という事でしょう」

 再び蚊帳の外に置かれてしまった仁ノ助は、その後はだんまりを決め込んでいたが、軍議の最中にちょくちょくと意見を述べる天の御遣いから目が離せなかった。物怖じせずに周りの人達を信じようとする誠実さが、懐かしき故郷にいる友人らを思い起こさせたのだ。
 ふと、北郷の視線が仁ノ助に向けられる。内心を窺わせぬ愛想のいい微笑を返すと、彼も淡い笑みを返し、再び軍議に参加していく。仁ノ助はそれ以上は何事にも関心を示さず、瞳を閉じて軍議が終わるのを待った。完全な余談であるが、あの桃色の髪をした女性が劉玄徳であると知ると、仁ノ助は途方に暮れたよ
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