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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その5
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と尊称されても仕方のない異彩を放っている。それなりに武芸を嗜んでいるのだろう身体つきは歳の割には立派なものだ。諸侯を見渡して顎に指やって深く考える様は、どこか第三者的な一歩引いたものがあり、油断ならぬものを感じさせる。いや、そう表現するよりも、まるで劇画の世界を観察する明晰な学生のような印象を受けた。
 この会議に出席できるという事はそれなりの立場を持っているという事。つまり彼こそ義勇軍の統率者であり、天の御遣いという事なのだろう。だがそんな風評を信じるよりも、仁ノ助としては、『彼はもしかしたら自分と同じ時代からやってきたのではないか。いやそうに違いない』と信じる方が、はるかに楽な話であった。そんな確信の根拠は彼が来ている衣服にあった。太陽光を受けて思い出したようにてかてかとする特徴は、いわゆるポリエステル繊維特質のものであったのだ。機械の如く精巧に、複雑に編み込まれたそれは高級感を失わせず、手作業では絶対に作れない品の良さを現していた。
 仁ノ助は改めて感じる。彼はイレギュラーであると。この世界におけるロキの役目を担う、大番狂わせの存在、現役高校生であると。

(・・・ってか学生なのか?高そう服着やがって。あれ俺が通ってた高校よりもぜったい良い素材使ってやがる。なんて羨ましい。俺の時代なんて高校でも学ランだぞ、学ラン。なんであんなにテッカテカなやつを着て・・・)

 表面にはおくびにも出さぬ彼の自分勝手な妬みは、皇甫嵩の袁紹に対する返しによって遮られた。

「まぁまぁ、袁紹殿。そんなに急いても事は始まらん。まずは順当に現状を把握するとしようぞ。なに、四面楚歌となった奴等など鎧袖一触ぞ」

 獰猛な笑みで彼は答える。彼にとって、波才以降の賊は稚児に等しいものといってもよかった。伊達に官位と経験を重ねているわけではない。袁紹は不満げな表情をしたがそれを抑えて改めて問う。

「北中郎将の盧植、そして東中郎将の董卓。いずれもその四面楚歌の賊とやら負けていますわ。敵は数こそ我等に劣る。にも関わらずこれまで戦線を担ってきた将軍達は負けた。それに代わって、私を差し置いて連合の総大将に着任されたあなたには、何か秘策でもお有りで?」
 
 どこまでも不遜で、年功序列を全く意に介していない口振りで問う。だが皇甫嵩は寛大にも気を害さず、余裕の色を崩さない。

「有るからこそよ、こうしてわしが生き延びてきたのは。で、本題だ。公孫讃殿。斥候が申すには戦場の最前線はそなたらの軍が支えていたそうな。敵の様子はどうなっておる?」
「はい。本拠地を守護するだけあって、地方の賊と比べると精強です。以前交戦した際には、敵は鶴翼の陣を敷かんとしておりました。ある程度、心得のあるものが敵方にいるものかと。また、此方の斥候が申すには奇妙なものが見えたと」
「奇妙な
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