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【D×D】記憶のお掃除
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グレモリーが混乱の極みに達したような目で俺を見ている。俺も割と混乱の極みに達している。しかし色々鑑みるとどうしても俺の身に起こったあの怪奇現象の説明がつかない。

「最近時々、旧校舎にあるっていう部活動の部屋に行ってみたいと思って旧校舎に行くんだ。でも入り口付近まで来ると何故かいかなくてもいいかという気分になって、最初はそのまま帰ってた」

おいおい諦め速すぎるぞ俺、と今になって思ってしまう。三歩歩いて忘れる鳥頭でもあるまいし、一度興味を持ったくせにどうしてそこで諦めるんだそこで。初志貫徹できない男はモテないぞ。学校を出てからそのことに気付いた俺は、何を思ったか改めて旧校舎に再ログインを敢行しようとしたのだ。

「帰りたいし興味なくなったけど取り敢えず入るんだが、今度は入った途端気味悪くなって帰りたくなった。しかしここで帰ってはと歩きはじめて気が付いたら入口から外に出てたんだよ。ドア一つ空けないで」

グレモリーが頭を抱えている。堂々同級生がアルツハイマーを発症してしまったみてーなその態度は気に入らないが、俺自身は一番自分を疑ったんだからな。今日の所は見逃す。

「という訳で入りたいのに入りたくなくなる、進もうとするのに進んでないと本能に従うと悉く入るのに失敗したから本能の選ぶ方から全力で反対に進んでみたんだ。で、結果としてあの中で遭難した」

グレモリーが天を仰いでいる。俺もあの時は神に拝みたかったものだ。

「途中で木場に発見されてそのまま返されたんで諦めたが、次の日も頑張って突入したらまた遭難した。今度は塔城に抱えられて保健室に連れて行かれた。次も遭難して今度は朱乃に・・・だ。ドア一つ空けられねぇ」
「方向音痴ここに極まれり?」
「ねーよ」

富士の樹海は磁場を狂わせるとかそんなレベルじゃない不快感との戦いに疲れ切ってマジで死ぬかと思ったね。長期戦用に飲食物も用意したけど粘るのは4時間までが限界だったくらいだからあそこ絶対おかしい。っつーか広くもない旧校舎で4時間とかありえん。

「で、疲労がてら気付いたんだけどその3人はみんなお前の部活仲間な上に妙に俺を憐れんだ目で見るんだよ。しかも最近やたらコウモリ見るし。コウモリ追い掛け回しても絶対に撒かれるし」

コウモリを追いかけて右往左往する俺の姿を見せてやりたかった。絶対笑い話の種になる。

「その蝙蝠がどう繋がって私達があなたに何かしたことに繋がるのよ・・・?」
「捕まえようとすると逃げるもんだからここ一か月コウモリの分布図や目撃例を探してみたらこの学校の旧校舎を中心とする一帯だけ異常に多すぎる。お前ん所の部活・・・オカ研だっけ?あそこから放たれてるとしか思えん。旧校舎に入るのはお前たちと時々来る生徒会のメンバーだけだし、そもそも公的な資料による
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