暁 〜小説投稿サイト〜
没ストーリー倉庫
【D×D】記憶のお掃除
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に認識阻害魔術の効果範囲外まで足を運んで調べていたとは。別に英雄の子孫でもなんでもない一般人の箒が、私達にも気づかれずにこれほど具体的な調査まで行っていたなんて信じられない気持ちだ。

イギリスの証言も、もし万が一異常を感じたら面倒だからと予め暗示で記憶を刷り込んでいたのに、まさかそんな観点から不自然さに気付くなんて。しかも家の資金繰りなど一体どこで調べたのか本当に見当もつかない。

一度記憶を消していたのに前より強く疑われてしまったため、また魔術を掛け直さなくてはいけない。

「もう・・・今回はちょっと念入りに消しておきましょう。箒君ったら、駄目よこっちの世界を知ってしまっては」

辿り着く前に止めておかねば、下手をすれば彼自身の身が危ない。人間の好奇心というのは恐ろしいものだと実感した。

「また気持ちよさそうな寝顔・・・人の気も知らないで。このこのっ」

八つ当たり気味に頬を乱れ突きされたのちに魔術を掛けられた箒は、いつもより少々遅く家に帰り着いた。なぜ自分が遅くなったのか思い出せなかった箒だが、晩御飯を食べているうちにその疑問は溶けてなくなってしまった。

その後しばらく使い魔を張り付けて監視したが、変に思える兆候は見受けられなかった。後は朱乃に定期的な監視を任せ、休むことにした。記憶の操作は間違えると余計に記憶を忘れてしまうため大変なのだ。次こそ彼が疑いを持たぬように・・・



 = = =



「なぁ、グレモリー」
「えっと・・・何かしら?」

放課後の夕日が差し込む教室に高校生の男女が二人きり、というと甘酸っぱいシチュエーションを想像するのが健全な日本男児と言うものなのかもしれないが、あいにく俺はそういうのと縁遠い存在なのでそういうのはしない。

今俺と同級生・・・リアス・グレモリーが二人きりで教室に残っているのは単純に俺が美化委員というポジションゆえに掃除が行き届いているかの点検をしなければならないこと・・・そしてグレモリーがここにいるのは授業中に珍しく居眠りをしたせいで先生に俺の手伝いをするよう仰せつかったからだ。帰ってもいいと伝えたが、それがばれたらまた怒られるからと結局一緒にチェックをしている。

それはさておき、俺は一度グレモリーに聞いてみたいことがあった。折角2人きりと言う環境なんだからちょっと聞いてみようかと思う。普段のこいつは学園の憧れの的みたいなもんなので話しかけにくいし。俺そもそもこいつそんなに好きじゃないし。
・・・この光景、誰かに見られたらあらぬ誤解を招くんじゃなかろうか?

「お前・・・っつうか、お前ら俺に何をしたんだ」
「私達って、私の部活メンバーの事?」
「そうだ」
「そうだって・・・他の子が何か迷惑かけた?私、ちっとも心当たりないんだけど」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ