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【D×D】記憶のお掃除
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モリーがここにいるのは殊勝にも俺の仕事ぶりを見学しているのだ。こいつ生徒会長と友達だからサボったらきっとチクる気だろう。俺は真面目だからそんなことやらないが。

それはさておき、俺は一度グレモリーに聞いてみたいことがあった。折角2人きりと言う環境なんだからちょっと聞いてみようかと思う。普段のこいつは学園の憧れの的みたいなもんなので話しかけにくいし。俺そもそもこいつそんなに好きじゃないし。
・・・この光景、誰かに見られたらあらぬ誤解を招くんじゃなかろうか?

「お前は()だ?」
「・・・えっと?言葉の意味が分からないわね」

分からんだろうな。俺も何言ってるか分かんないし。でも俺なりに夏休みを費やして調べた自由研究の結果を発表しておこうと思う。

「えっと、まずお前の近辺にいる人間に片っ端からグレモリー家のこと聞いてみた。途中でイギリスの方に元住んでた屋敷がまだあることも聞いてそっちにも旅行がてら行って、いろいろ調べてみた」

どうした俺。行動がアグレッシブすぎるぞ。傍から見たらストーカー一直線だ。だが知的好奇心に負けた俺はそれを実行した。きっかけは「グレモリーって悪魔の名前だろ。それっておかしくねぇ?」と疑問に思ったことだった。
・・・グレモリーは絶句している。そらそうだ。俺だってそうするわ。

「でな。結論から言うと日本にいるお前の近辺・・・よく一緒にいる朱乃とかは質問の間ずっと言葉を選んでたように思えた。お前自身の話は聞いたが、お前が育った環境とかの広い部分を明らかに隠してた」
「プライバシー保護の為じゃないの?最近何かと怖いから」
「俺はお前の方が怖いぞ・・・イギリスの方での成果が特に」

懐からつたない英語と汚い日本語訳で埋め尽くされた手帳が出て来る。俺の研究成果が詰まった最高のボロボロ手帳だ。

「データによると確かにお前の父親に当たる人物がここに住んでたという証言は得られた。屋敷もいまだにグレモリー家の名義になってた。でもな・・・どういう訳か、そこからどれだけ調べてもみんなみぃんな”思い出や記憶の内容が一緒”なんだよ」

調べたこっちが軽くホラーである。抱いた印象や思い出、あいさつした時のことなどがまるで最初からたどる道であったかのようにつらつら同じことを喋るのだ。人間の記憶がそこまで画一的になるなんてあり得るか?

「ぶっちゃけ記憶を操作したか、何かしらの方法で脅したとしか思えん。ついでにグレモリー家の資金繰りを見てみたら歳入が無いのに財産が増え続けてる。税務署がこんなテキトーな財産管理を放っておくはずが―――」

ここで俺の意識は暗闇に沈んだ。
・・・あれ、なんかデジャヴ。



 = = =



本当に困った同級生だ。まさかグレモリー家の周辺調査を単独で行った上
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