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乱世の確率事象改変
洛陽にて
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うんだが」
「確かにそうですね。攻城戦を見積もっての戦況は五分五分でしたが兵の数としては三倍とはいかなくてもまだこちらが有利。ならば相手の士気低下を狙うその策が上策だと思います」
 俺の策が朱里と雛里に認められたとか凄く嬉しいんだが。桃香達は理解したのか目を見開いて驚いていた。
「秋斗さんすごーい! 確かにこっちだけ寝れないのは不利だもんね。じゃあ朱里ちゃん、他の諸侯さんにも献策してみよっか」
「はい!」
 返事をするや天幕入り口で待機している伝令に指示を飛ばす朱里。
 行動は出来るだけ早い方がいい。機を見て敏なりってとこか。
 クイクイと袖が引かれてその方を確認すると鈴々がこっちに向けてニカッと笑い話す。
「これでお兄ちゃんもゆっくり寝て身体を癒せるのだ」
 虎牢関での怪我を気にしてくれているのか。純粋な心配が心に染みる。しかし俺が倒れた理由は、確かに怪我も酷かったが、それによる血の流し過ぎのせいではないという事を俺しか知らないから申し訳なく思う。
「ありがとな鈴々。お前も……いや鈴々はいつも爆睡していたな」
「むぅ、敵が来たら分かるから大丈夫なのだ」
「マジか……その体質が羨ましいよ」
 普通なのにと首を傾げる鈴々を続けてからかおうとしたら愛紗が真剣な顔で話し出した。
「秋斗殿、あなたは戦場で無茶をし過ぎることがあります。今もまだ完全ではないのでしょう? 私達二人は秋斗殿よりも怪我が軽いですし、この策が成功して敵が出て来たなら、前線は我ら二人に任せて後陣にて休んでいて欲しいのですが」
 お前も結構無茶ばかりしてるぞ愛紗、とは言わないでおこうか。愛紗は呂布戦の後、俺が倒れた事にかなり心を痛めてくれていたから。ただ心配の言葉は嬉しいが少し心がささくれ立つ。
「そうなのだ! それにいざとなったらお兄ちゃんがお姉ちゃんを守ってくれるし鈴々や愛紗も安心して戦えるのだ!」
 ふんすと意気込んで愛紗に続く鈴々。
 わかっているさ。お前達は優しい。
「しかしな……俺も前線で指揮して戦ったほうが被害も減るし――――」
「秋斗さん、必要な時は私たちが指示を出します。ですから今回はそれで行きませんか?」
 難色を示している俺の言葉を切って朱里も続ける。軍師の判断としても問題はないわけだ。俺も全てを自分で救える等と欲深い考えは持っちゃいないが……
「皆で協力して頑張っていこうよ、秋斗さん。今は無茶しないで自分を大事にして」
 桃香が続いて話す。想ってくれる気持ちを汲み取るのも大切なこと。これ以上は無理だな。
「……わかった。ありがとう。心配かけてすまないな。前線は頼んだぞ二人とも。後陣は任せてくれ」
 言うと皆一様に、雛里以外は安心した顔をする。
「じゃあ皆、今日する事終わらせちゃおっか。私と朱里ちゃんは軍議に行ってくるね」

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