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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos7八神家の日常〜Working〜
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でも下すことが出来る、ね――
実に恐ろしい能力を持っているものだ、と僅かに恐れを抱いたのは秘密だ。
そして翌日。今日はルシリオンが朝食担当だったために模擬戦は昼間に行うことになった。ルシリオンと共に準備運動をし、素振り100回、そして模擬戦へと入る。いつものように打ち合いをすること10分ほど。ルシリオンが「ちょっと待ってくれ」と仕切り直しを求めてきた。それに応じ木刀と鞘を降ろす。
「どちら様ですか?」
ルシリオンが門構えの方へと目をやり、そう問うた。そちらに目をやると、柱の陰から40代くらいの男性が現れた。端正な顔立ちに刈り上げられた黒髪。佇まいからして何かしらの武芸を嗜んでいることが判る。
「すいません。私、この近所で剣道場を営んでいる武田と申します。失礼ながら幾度かお2人の試合を見学させてもらった事があるんです。それで、私から貴女にお願いがあるのです」
武田氏は私に向き直りそう告げた。
「私に、ですか?」
「とりあえずお話をお聞かせくださいますか」
ルシリオンと武田氏と共に玄関へ行き、そこで話をすることになった。武田氏の私へのお願いとは、「私を剣道場の講師に?」というものだった。
「はい。筋も大変良く、素晴らしいものをお持ちです。是非にお願いします」
しかし私は身分を示す在留カードを持っていない。そう思い断ろうとしたのだが、「シグナム、コレを」ルシリオンが私に一枚のカードを手渡してきた。在留カードと記され、いつ撮ったのかも判らない顔写真、名前の欄には八神シグナム、誕生日は主はやてと同じ6月4日、国籍は独国、在留資格は永住などなどが記されている。
『ルシリオン。コレは?』
『それがシグナムの身分を証明する物だ。それがあれば働ける。だからあとは、シグナムの意思次第だ』
在留カードを受け取り、私は主はやてが居るリビングへと目を向ける。と、「わたしは構わへんよ」話が聞こえていたのか主はやてが玄関へとやって来た。そして主はやては武田氏と挨拶を交わし、「シグナムはどうしたい? わたしはシグナムの意思を尊重するよ」と私が剣道場の講師として働くことに賛成の意を示してくれた。
「どうでしょうか、シグナムさん?」
武田氏に最後の意思確認をされ、私は「お願いします」とお受けすることにした。
こうして私は剣道場の講師として、武田氏の世話になることになった。
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