GGO編ーファントム・バレット編ー
62.現実の襲来
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ニター装置の電極....だと思うけど....」
「は......はあ?何でそんな......あんた、心臓悪いの.....?」
「いや、ぜんぜん......。《死銃》対策につけてもらってたんだ.....そ、そうか、焦って引っ張ってきたから、ついてきたみたいだな.....」
落ち着いて見てみるとシュウにはいくつもの金属円がついている。
「まったく......、脅かしてくれるなあ」
「そりゃあ......」
両手でぎゅっとシュウの首を掴むと、締め上げた。
「こっちの台詞よ!し.....死んじゃうかと思ったんだからね!!」
叫んだ途端に、緊張が一気に抜け、一瞬倒れそうになるが目の前の少年が支えてくれる。その体勢は彼に寄り添うような形になる。上半身裸の彼の胸から鼓動が伝わってくる。
「彼は......大丈夫か?」
シュウに言われ、恭二の右手首を取るが、はっきりと鼓動が伝わってくる。もう彼の顔を見ることができず、顔を背けた。
無意識に私は再びシュウの体に寄り添っていた。やがて口を開き、ぽつりと呟いた。
「とりあえず......来てくれて、ありがとう」
「いや.......結局何もできなかったし.....来るのもかなり遅くなったしな。.....ゴメン......。ケガは、ない?」
私の頭を撫でながら小さな声で言ってくる少年の言葉にこくんと頷く。
「あ......あれ......」
突然、両眼から零れる。頬を伝う涙は勢いを増し、滴る。
それを見せまいとシュウから離れようとするが、彼はそっと私を抱きしめた。
やがて、遠くからサイレンの音が近づいてくるのに気づいたが、涙は枯れる様子はなかった。
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