Introduction
第五話 クラス代表決定戦
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も抑えられているので無理なことをしなければほとんど影響ありません」
「……そうか」
その言葉に、ほとんどの者は安堵していた。しかし千冬は、紫苑の言外にある事実に気づいていた。無理をしなければ、ということはつまり無理をしたその先の使い道があるということだ。そしてその時の影響は……。
「くれぐれも無理はするな」
「……善処します」
いつもなら千冬の指示には素直に従う紫苑も、今回は断言しなかった。
なぜなら次の相手は学園最強を自負する、更識楯無。多少の無理もせずに勝てる相手ではないのだから……。
◇
ある程度はシミュレーション通りの動きだったけど、速度が予測より10%ほど上回ってた……。千冬さんを操縦者とした戦闘シミュレーションをやってなかったら危なかったかもしれない。
というより、千冬さん相手では遠距離からの射撃を避けきれずに削られていき少しずつ距離を縮めたと思ったら一瞬のうちに牙の範囲内に捕捉されて負けてしまっていた、完全にいいように弄ばれた形だ……。だからという訳じゃないけど、なるべく相手の動きをこちらからコントロールしたうえで試合をすすめることにした。結果的にハマったようでホッとしてる。
でも、次の相手は楯無さん。今回のように行くわけがない、というよりこちらの予測では現状勝てる可能性はかなり低い。それでも……。
「では、先ほどと同じように15分後に第三試合を行う。今のうちに休んでおけ」
「わかりました」
思考を遮るように千冬さんから声がかかる。
「勝ったのは……あぁ、紫音ちゃんね」
控室からどうやら楯無さんが戻ってきたようだ。勝者を確認しないで断言したのはあらかじめ聞いていたのかもしれないが、視線の動きを見るに部屋の隅でいじけているフォルテさんを見て察したのだろう。
「はい、なんとか……ですが」
「それにしては無傷みたいじゃない?」
部屋のどこかで『グサッ』という擬音のようなものが聞こえた気がしたので、それ以上は応えずに苦笑いで誤魔化しておく。
「ま、お互いベストで戦えるなら何よりかしらね」
「……楽には勝たせませんよ?」
「ふふ、望むところよ」
さて、楯無さんはやる気のようだし厳しい戦いになりそうだ。
「そろそろ時間だ、準備をしろ」
その言葉を合図に、僕と楯無さんはそれ以上言葉を交わさずにそれぞれのピットへと向かう。そのまま僕は月読を展開してアリーナへと入った。
目の前には同じようにやってきた楯無さんと、その専用ISであるミステリアス・レイディがいた。
コールド・ブラッドと同様にその装甲部は全体的に面積は狭く、小さいがそれをカバーするように水のようなものが、さながらドレスのように
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