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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Introduction
第五話 クラス代表決定戦
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あいつは、それを距離を取られそうになった瞬間、攻撃モーション中に呼び出しそのまま一撃に繋げた」
「そんなことが……」

 千冬の言葉通り、片方の武装を持ち替えたことに気づいた紫苑はすぐにフォルテが距離を取ろうとすることを察知し、そのタイミングに合わせて刀剣用のモーションに移行、その途中でネームレスの呼び出しを行い振り切る。その絶好のポジションに距離を取ろうとしたフォルテが誘い込まれた形になった。

「……俄かに信じられんがどうやらあいつはどんな状況、どんなモーションでも武装の呼び出しが可能なようだな。しかもその速度が馬鹿げている、高速切替(ラピッドスイッチ)並かそれ以上だ」
「う〜ん、そ、それじゃ西園寺さんがイグニッション・ブーストで接近しながら急に方向転換したのはどういうことですか?」

 千冬の説明を聞きつつも、どこか納得できないといった様子で生徒の一人が訪ねる。

「あれは恐らく、イグニッション・ブースト中に、別方向のイグニッション・ブーストを重ねがけしたのだろう。月読の装甲の各所には多数のブースターが仕込まれている。その気になれば360°どこにでもブーストをかけられる……操縦者への影響を無視すればな」
「そんな! 加速中に別方向へさらにGがかかるような真似をすればどんなことになるか……。いくらISの絶対防御でもそんなところまで守れませんよ!」
「そう……普通(・・)はこんなまともに使えない機能をISに搭載したりはしない。あれがテスト機だからなのかそれとも……」

 千冬の信じられない言葉の数々に、場は再び静寂に包まれる。

「いや〜、まいったッス。予想以上にボコボコにやられたッス」

 そんな空気をぶち壊す声が入ってくる。ISを解除してアリーナから戻ってきたフォルテだった。すぐに紫苑も戻ってくる。

「さ、西園寺さん! 体は大丈夫なんですか?」

 紫苑の姿を見るなり、真耶は慌てて彼の元に駆け寄って心配そうに声をかける。

「あ、はい。特にダメージはありませんので……」
「ちょ、試合でボコボコにされたのはウチッスよ! それなのに紫音も何気に酷いッス……」
「あうあうあう、そ、そうですよね。サファイアさんは大丈夫ですか!?」
「ご、ごめんなさい。そういう意味では……」

 管制室でのやり取りを知らないフォルテにとっては真っ先に勝者の心配をしている真耶の行動が理不尽に思え、なおかつ紫苑にダメージは無いとハッキリと言われてそのまま隅で落ち込んでしまった。居合わせたクラスメートに慰められているが、立ち直るのは第三試合が始まるころだった。


「西園寺、あのブーストは体に影響ないのか?」
「はい、あの程度でしたら。もともと装甲にあるブースターは通常のイグニッション・ブーストに比べて格段に出力
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