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カンピオーネ!5人”の”神殺し
ルリム・シャイコースの驚異
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ないほどの攻撃が吹き荒れる。
 
 それは、逃げようとしていた者たちが、思わず足を止めて見てしまうほどの光景だった。
 もしかしたら倒せたんじゃないか(・・・・・・・・・・・・・・・)と、淡い希望を抱かせるに足る攻撃だった。

「ダメです皆さん!逃げてーーーーーー!!!」

 足を止めなかったのは二人だけ。
 この程度で神が傷つくはずがないと知っている祐里と、祐里の能力を全面的に信頼している定敬のみ。
 足を止めた全員に警告するために止まろうとした祐里を、定敬が強引に引っ張る。

「駄目だ祐里ちゃん!止まるんじゃない!!!」

 瞬間。手を引かれながら振り返った祐里が見たのは、もうもうと立ち込めていた煙が一瞬にして吹き飛ばされる場面。そして、まつろわぬルリム・シャイコースの開いた口から発射された薄い氷の刃が、彼女を除いた全ての人間を串刺しにする場面だった。

「あ・・・・・・あ、あああああああああああああああああ!?」

 祐里を避け、定敬にだけ突き刺さった氷の刃。口から血を吐き出す定敬を見て、絶叫する祐里。
 しかし、絶望して立ち止まりそうになった彼女は、ドン!と強い力で突き飛ばされた。

「逃げろ・・・!立ち止まるな、逃げろ祐里ぃいいイイイイいいいいいいい!!!」

 その声に押され、彼女は走った。自分でも、一体何をしているのか、何を考えているのか分からないままに。何処に向かっているのか、理解しないままに。

 だからこそ、彼女は気がつけなかった。

 定敬に食らいつくルリム・シャイコースが、彼女を見てニヤリと口を歪ませて笑ったことを。邪神らしく、嗜虐心に富んだこの神の性格を、彼女たちはまだ理解出来ていなかったのである。

 祐里だけは助かるかも知れないという、ほんの僅かな希望を胸に死んでいった定敬の魂へと語りかけるルリム・シャイコース。

『無駄なことをしたな。・・・・・・彼女は、一生この都市から出られないというのに。』
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