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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第43話 「遭遇」
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 後の先、後々の先を取るつもりだろう。
 そして主導権を維持する。
 サンフォード議長も主導権を取りたいのだろうが、うまくいくかどうか……。

「難しいでしょうね。あの皇太子が、専制国家が民主共和制の同盟に勝っているところは、決断力です。即断即決できる部分です」
「う〜む。民主制は決断の速さが、専制君主に負けるか」
「軍は政府に指示を仰ぐ。それは同盟も帝国は違いはありませんが、そこから先が違う。特にあの皇太子だったら……」
「トップダウンの強みですね」
「そうなんだ。強権を持つ皇太子には、一歩も二歩も負けてしまうんだ」

 あの皇太子……本当に厄介な相手だな。
 たった一人で、同盟を動揺させる。
 その上、排除する事もできない。
 あの皇太子を排除しても、代わりに出てくるのが、よりひどい奴なら目も当てられない。

「人物的にはまともですからねー」
「そうだね。彼が同盟の人間だったら、友人になれたかもしれない」
「そうだったら、どれほど良かった事か……はあ〜」
「先輩、ため息を吐かないでくださいよ」

 アッテンボローに言われてしまったな。
 しかし、そう思わざるを得ないんだ。
 あの皇太子が同盟の人間だったら、と。

 ■作戦本部 シドニー・シトレ■

 帝国が駐留艦隊を動かして出迎えたか。
 こちらの手を透かされたようなものだ。手強い。
 あの皇太子、軍を完全に掌握している。
 彼が帝国のトップに立ち続けている間は、今のような状況が続くだろう。
 帝国は完全に、軍を政治の一部として動かしているのだ。
 これからは目的の希薄な戦闘など、起きないかもしれんな。
 それだけにあの皇太子が、軍を自発的に動かしたときは、今まで以上に警戒が必要になるだろう。
 やりにくい相手だ。
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