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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第43話 お客さん
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「喜んでくれたようで、よかったです」
「俺も今回はいつも以上に美味(うま)いと思ったぞ」
「あはは、ありがとね。お兄ちゃん。そうだったら、頑張ったかいがあるよ」
 俺とリズが今日の料理を絶賛(ぜっさん)すると、シリカは照れたように笑う。
 そんなシリカを見て思ったのか、リズがこんな事を言ってきた。
「それにしても、シュウはホント羨ましいわね」
「何がだよ」
「だって、起きてきたら可愛い女の子が美味しい料理作ってて――しかも起こしてもらって、目が覚めるまでのお世話まで……」
「別にいいんですよリズさん。あたしの好きでやってるんですから。……それに火曜日と水曜日はシュウさんが朝ごはん作ってるんですよ?」
「あたしが言おうとしてるのは、そういう意味じゃないわよ」
 シリカの言葉に、リズが首を横に振りながらそう言った。
 そういう意味じゃなければ、どういう意味なのだろう?
 シリカが言ったような意味なら、確かに俺はシリカに起こしもらったりしているが、火曜日とかは俺だってシリカに起こしてもらって、それから…………あれ? ということは、結局シリカは俺より早く起きてるわけだから、面倒見てもらってるってことなんじゃ……。
「シリカ、気づかない?」
「気づかないって……何がですか?」
 俺が考えてしまった事実に、地味に自分が使えない人間なんじゃないかと落ち込みかけている中、リズとシリカが会話を続ける。
 そして次のリズの一言が、落ち込みかけていた俺の意識を一気に現実に戻した。
「あんたが今していることって『妹』がすることじゃなくて、『奥さん』のすることよ。まるで新婚のような」
「…………あー、なるほどー……新婚、ね」
「あはは…………」
 リズの言葉を聞いて顔が熱くなるのを感じるが、どう答えていいのか、またどういう風な反応をすればいいのか分からず言葉に詰まる。
(本当に新婚なんだよなぁ、これが)
 シリカもそれは同じなのかな、と思いシリカの顔をちらりと見たが、明らかに俺より顔が赤いと思う(自分では顔の赤さは分からないので、予想でだが)。
 ……やっぱりこういう話題は女の子の方が恥ずかしいのかな?
「しかもあんたたち、血が繋がってないんでしょ? いっそのこと結婚しちゃえば?」
「……は? ちょっ、リズ。どうして俺たちのこと……」
「ん? ああ、シュウたちが義兄妹だってこと? こないだシリカに聞いたのよ」
「……『義』兄妹?」
 どういうことなのだろう、と思いシリカの方を向くと、目を逸らすシリカ。
 ……何があったのだろう。気になるけど、一瞬見えた目を逸らした時のシリカの申し訳なさそうな顔を思うと、そう強く聞けない。
 なのでこの話はほっておき、『義兄妹』ということでももういいと思った。……もはやシリカが妹ということに
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