Introduction
第四話 欠陥機
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ってきた。
その姿を見て僕は思わずキュンとしてしまう……って違うよ! 別にそういう趣味じゃなくて、きっと母性的な何かが! いや、男が母性に目覚めたらまずいでしょ、ならこの胸のときめきはなんだったんだ……って別に仮にフォルテさんにときめいても同い年なら問題ないのか……ううむ。
悶々と謎の葛藤に眠ることができず、翌日危うく遅刻するところだった。
ちなみにそれ以降同じようなときめきは起こっていない。……ホントだよ!?
そしてあっという間に時間は過ぎ、代表決定戦の日がやってきた。
最初の数日があまりにも慌ただしく、このままやっていけるのか不安にもなった。でもそれが逆に良かったのか、ちょっとやそっとじゃ動じなくなった。楯無さんの行動にも慣れてきたし、フォルテさんを見てると不思議と癒されるし、薫子さんのあしらい方も分かってきた。……未だに周りからの視線には慣れないけど。
それでも幸い、僕が男であることがバレるようなこともなく過ごせている。
初めて校舎内のトイレを使ったときは心が折れそうになったけどね……ふ……ふふ……。最初の数日のうちは校舎内のトイレは使わず、朝早い時間に寮で済ませたり誰もいないタイミングで施設のトイレを使ってたけど……、限界があるよね……。
こればっかりは慣れない、いや慣れたらいろいろ終わってしまう気がする……男として、人として。出来る限り今まで通り人のいないトイレを使おう、僕の男としてのアイデンティティを守るためにも。
「おはよ。ふふ、今日は手加減しないわよ」
朝っぱらから自己嫌悪のループに陥っている僕をしり目に、楯無さんはご機嫌だった。
薄々感じていたが、彼女は僕らとの模擬戦をかなり楽しみにしていたようだ。まぁ、もともと模擬戦で決めたらどうかというのは彼女からの提案だったのだから当然といえば当然だけど。
「私も……全力でいきます」
正直、彼女に勝つのはかなり難しいが手がない訳ではない……まぁ、肝心の調整はことごとく失敗したけど。でもただ負けるのは性に合わない。この学園に入って認識したけど僕はことISに関しては負けず嫌いなようだ。束さんの近くにいた影響かもしれない。今まで勝負事に執着したことなんてなかったのに。
その日の教室はやや浮ついた空気に満ちていた。いや、教室だけではない。学園全体が何かに期待するような雰囲気に包まれていた。言うまでもなく今日行われる模擬戦のせいだろう。一学年の他のクラスが気にするのは分かる。対抗戦に出場する選手の力量が前もって見ることができるのだから。でも上級生までもが同様なのはちょっと異常だった。
まぁ、勉強熱心な人や代表候補生、企業所属の人間などは専用機同士の模擬戦でデータを取りたいと思う人もいると思うけどこの空気は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ